医学部を卒業した医師は、
専門分野を自らの意志で決定できます。
内科系、外科系、眼科系、云々。
対して、
歯学部を卒業した歯科医師は、
歯科のみの専門家として社会へと旅立って行きます。
歯科を選択した若人は、
歯科の門を叩いた時点で、
他の科を選べませんから、
絶壁を背に、自分を追い込む定めを背負うのです。
大学の6年間も、歯科のみの教育を受けます。
そう言った意味に於いては、
歯科の方が、より専門的分野と言えるでしょう。
歯科は医学と工学の両方の分野に股がって成り立っています。
生き物と材料との共存を
常に念頭に入れておかねばならない【特殊な科学】です。
また審美的はセンスも必要ですし、
手先の器用さも大きな仕事の分かれ目となります。
私は歯科医に成りたくて成りたくて、
この道に入りました。
歯科と云う学問が今、大きな岐路にたっています。
インプラントが歯科の治療を大きく変えました。
そのインプラントは、無くてはならない治療のオプションである反面、
インプラントが様々な問題を提議するようにもなりました。
歯を再生する研究も進んでいます。
歯そのものを殺さないで活かす治療の研究も進んでいます。
また審美歯科から美容歯科への進化の様相も、
繊維芽細胞の取扱から見えて来ました。
古典的芸能であった歯科技工も、
テクノロジーの進歩によって、大きく様変わりしている最中です。
もしかしたら今、
医科よりも歯科の方が大きな変革を遂げているのかもと、
これからの歯科は決して暗くはありません。