日曜日の深夜、
私の姿は、
渋谷の細い路地に面した洒落たバーに在りました。
吉祥寺開業の小出 明医師に連れられて、
新宿開業の綺麗な女医さんと共にグラスを傾けていたのです。
普段であれば、この時刻には夢の中である私ですが、
たまには、こういう時も大切なのだと。
小出医師が女医さんに
私と患者さんとの【間合い】について話しているのを
判ってきたな!と、
小出医師の成長振りを温かな気持ちで眺めていたのです。
先刻、
小出医師の診療所にて、
私は少々、厳しい言葉を浴びせていました。
麻酔の方法の初歩の初歩の処からと云う塩梅。
患者さんが歯科医の【本当の技量】が判断できる筈もなく。
だってそうでしょう?
判断できたならば、
どうして〇〇歯科医院に患者さんが行くの?と、
私なら不思議で堪らない現象が在りますもの。
麻酔の仕方なり、
患者さんへの触れ方は、
瞬時に素人でも気づくモンです。
小出医師もこの女医さんも、
私とは同門ではありませんが、
私学育ちの匂いがします。
歯科医は私学出でなければならんと云う
勝手な基準を私は持っています。
利休の一輪挿しの美と、
テレビに出てくる男女みたいな人が活ける派手な生花の美との違い。
この辺の匂いの差が理解出きるのは私学出でなければ無理でしょう。
何れにしても、
若い先生達の会話を新鮮な想いで聞いていました。
私は、どうして患者さんが増えているのか判りませんが、
その訳をこうして若い先生達は気づいてくれてルんでしょうね。