月別アーカイブ: 2018年3月

メタルボンド修復

オールセラミック修復全盛の歯科界ですが、

私はメタルボンド修復を頻用します。

メタルフリーは金属アレルギーになりませんと云うのは

嘘八百です。

セラミック本体の中には、

多くの金属が含まれていますので。

オールセラミック修復の利点は、

金属の裏打ちが無いので、

色が出しやすい。

ただそれだけです。

歯とに適合も、

金属には遥かに及びません。

最近流行りのセレックですか?

あのメーカーは超一流の機材しか作っていません。

私の診療椅子も、

そのメーカーを何十年と、

入れ換えては、

浮気しないで愛用しています。

が、

あのセレックだけは、

頂けません。

精密な歯などと云う代物ではありません。

ブカブカの不恰好な完成品に

目がたちくらんでしまいます。

絶対的に安定した修復物は

今現段階においても、

メタルボンド修復だと確信しています。

この大型のインプラント修復もメタルボンド修復です。

本当に上手な歯科技工士の造るメタルボンド修復は、

普通の歯科技工士が造るオールセラミック修復よりも

断然に自然観に溢れています。

男なら

7年前の今ごろは、

立ちはだかる雪の壁の山道を、

太平洋側の仙台市に向けて、

山形県山中の小道を

ひたすら駆け走っていました。

気が狂ったように、

息子の名前を叫びながら、

涙で顔中がぐちゃぐちゃになり、

ハンドルにしがみ付いていたのです。

繰り返し繰り返し流される

ACのナレーションが

ヤケに癪に障っていました。

と言って、

新たな情報が発表されるかもしれず。

ただ、

今思えば、

あの時の報道なんて、

いい加減なモノばかりだったことが判ります。

民主党が分裂し、

二人の代表選が行われましたが、

その演説に、

私はのけ反ったのです。

被災者に対して、

国民に対して、

次から次へと放った嘘八百の落とし前を

あの方々はとっておりません。

あの被災の大半は、

人災であったと痛感し、

緊急時の対応に納得された国民は皆無でしょう。

多くの死者の姿に触れて、

私の怒りは消えません。

最近、

森友学園問題で賑わしい報道ですが、

どちらもどっち。

野党が与党を非難しても、

みんな判っているんです。

あなた方は、

挙げ足をとるだけの人々。

政権運営ができなかった人々。

また、

与党に関しても、

もっと上手い対応して下さいと。

世間では【そんたく】など当たり前。

みんな優等生ばかりで、

喧嘩が下手になりました。

世の中ってのは不条理なモノですから。

私は政治向きには全く関心はありません。

が、

高齢者、

若い世代、

安心して暮らせる国創りを

本気で取り組んで下さい。

だからこそ、

政治家、役人と云う職責に自ら望んで

就いたのでしょう?

私には私ができる歯科の仕事を

精一杯、

努力する。

それが男ってモンじゃあないですか?

外観と実際の間には

クラウンが外れて、

ズット放置しておいたのだそうな。

ここまで来れば、

まさかこの根だけになった歯が

残るとは思っておられない様子。

根も真っ二つに折れています。

抜いて、

インプラント入れましょう!

って言われたのだそうな。

で、

私の診療所へお越しになられました。

歯肉に被われていますが、

このような症例においては、

根を被う表面の骨が

楔のように溶けているものです。

そのままインプラントなど入れようものならば、

インプラントの頬側の骨が無い訳ですから、

インプラントが剥き出しになってしまいます。

じゃあ、

ブリッジにしようか?

そう考えてみたのですが、

抜歯の今日、

さぁて麻酔注射をと、

粘膜を視て、

ガ~ン!

大臼歯の真下の歯肉にフィステルが!

前に2名の歯科医師によって

根管治療が施されたとのこと。

クラウンを外して、

精密検査しなければ、

折れ易い根であれば、

ブリッジには使えません。

抜歯の際に、

粘膜を開いて、

双方の歯の骨を視てみました。

ねっ!

簡単ではないでしょう?

 

 

度胸と肝の太さ

先の東北大震災を自分の肌で経験し、

報道を全く信用しなくなりました。

ですから、

新聞もテレビニュースも

ある程度の参考までに

としか。

だって、

原発にしても、

メルトダウンしてたじゃないですか?

あの時の官房長官のコメントは?

現地での、

必死の作業を知ってますか?

放射能が怖いって文句は

誰も言いませんでしたよ。

目の前の地獄に、

少しでもお役にたたねば!

当事者みんなが、

そうだったんです。

私にしても、

圧倒的な放射能を浴びてるでしょうね。

石巻市に私の姉は嫁いでいますが、

家族一同で、

香川県に逃げ帰っていました。

当然かもしれません。

事務所から何から何まで

流された訳ですから。

会計士ですし。

ただ、

医療人は、

そこの辺りが、

一般の常識とは違うべきだと思いますし、

実際、違うんでしょう。

病気の人たち、

多くの死者のなかに、

職責があると云うただそれだけで、

飛び込んでゆくんですから。

自衛隊、消防士、警察官、

水道管やガス、電力工事の現場作業員。

みんな同じでした。

が、

本社で指示する背広組、

今では憤りも感じませんが、

同じ人間だとも思いません。

東北の真の復興は、

霞ヶ関の役所の東北移転が第1歩だと

私は確信しています。

東北が安全で、

人々が安心して、

自分の子どもたちの成長と思い出の地と

担保でき、

本気で東北の復興を決めるなら、

家族一同で東北に移住し、

国の政治の中心にすれば良いのです。

土地は充分に余っているのですから。

高速道路も新幹線。

アメリカのように、

仙台や福島をワシントンにすれば良いのです。

政治家に対して、

一歩冷めた視線を向けるのも、

そんな度胸もない、

そんな行動力もない、

そんなリーダーシップもない、

それを国民が感じているからです。

 

 

7年経っても

昨日の昼下がり、

息子から電話があり、

もう7年も経つんだねと、

互いの7年前を思いだし、

海を仰いで、

祈りを捧げたのです。

あの日の翌日である今日の今頃、

大空から降り舞う雪の彦根城の前に

立って、途方にくれていたのです。

夜明けを待てずに、

大阪市を車で出発した私は

一路新潟を目指して、

北陸道を駆け走る積もりでした。

が、

春目前にも関わらず、

京都過ぎ、

比叡山の滋賀越え辺りから

激しい雪に見舞われたのです。

雪規制のために、

私の車は走ることができません。

彦根インターにて、

泣く泣く、

高速道路を降りる羽目となったのです。

朝早いので、

何処の店も開店してはおりません。

数ヶ所のタイアショップを探し周り、

なすすべもなく、

彦根城の天守閣の前に

呆然と立っていた私は、

当時の心持ちの

瞬間瞬間を

今でも鮮明に覚えています。

量販店の常識的な開店時刻である10時までの、

長かったこと。

10時から、

彦根中を走り周りました。

季節外れのスノータイアを探すためです。

有名店など、

端から相手にしてくれませんでした。

何件あたったものか。

そんななか、

タイア館の店長さんには、

今でも恩を忘れることができません。

私の事情を聞くや、

お父さん、

絶対に宮城まで行かせてあげます。

タイアの在庫は神戸市に在るようです。

今から車で、

此処まで持って来させます。

運賃なんて要りません。

午後の1時には、

此処を出発できます。

タイアは安心して下さい。

新潟へは夜遅くになるでしょう。

新潟で情報をとって、

日が明けてから山形経由で。

長いですよ。

今、身体を休ませておいて下さい。

息子さんのこと

ご心配でしょうが。

この時ほど、

人の情けのありがたさを

しみじみ感じたことはありません。

息子の今日あるのは、

このタイア館の店長さんのお蔭です。

ハンドルを握りながら、

仮に息子の身に何か在れば、

私も生きて帰る積もりはありませんでした。

被災地の模様を、

私は明日の午後に

実際に自分の眼でもって

体験する訳です。

呆然と立つ息子を

新潟市まで回避させ、

再び宮城まで舞い戻り、

私は歯科医師であることの

意味を初めて、

思い知ったのです。

それからの私の、

歯科医師としてのアイデンティティーは、

腹が座ったモノになりました。

歯科医師しかできない業務があることを

身をもって経験したからです。

ただ、

毎年繰り返される

あの日の報道がテレビで流される都度に、

私の心は不安に怯え、

身体も小刻みに震えるのです。

あの日の記憶は

生涯消えない大きな傷となりましたのも事実です。

被災地の方々の日常は、

今も当時と大きくは変わってはおりません。

共に味わい、

共に祈りを捧げる。

私はそう思います。

 

 

予知する能力

49歳の女性の口腔所見です。

下顎の歯肉を注意して観て下さい。

左右の差がお分かりになりますか?

この方の初診は24年前です。

今では立派な大学生のお母さんですが、

当時はきゃピきゃピの証券会社のOLさん。

歯列矯正治療を成長期に受けておられたのですが、

これは、

完全なる矯正治療の失敗症例でした。

様々な問題が、

将来的に予想されました。

歯肉退縮も予知されました。

でも、

患者さんには理解できっこありませんよね。

左右に治療の差を付けました。

左側には歯肉移植を。

右側は、そのままで。

25年経って、

その差が歴然ですね。

当然、

左右での、

歯のグラグラ度合いも違います。

私らの仕事には、

将来の予知も大切です。

 

ため息

午後からは、

大がかりな歯肉移植の手術です。

東京からの患者さんです。

治療の必要性を熟知されておられるので、

治療の説明は楽でした。

人それぞれに、

体質的な違いがあり、

私らは、

その違いを丁寧に見つけるのも

仕事の一部です。

に対して、

何でもかんでも、

私らを疑ってかかる方も

多くはありませんが居られます。

誠実に対応させては頂くものの、

私の時間は限られています。

ただ、

私は黙って、

その方の歯科治療に関する知識を聞いています。

一通り、

お聞きした処で、

私は微笑んで、

席を立つしかありません。

こういう時に、

スタッフの宮田君は

上手に手当てしてくれているのだと思います。

私は本当に歯で困った患者さんのために

自分の知識と技術を出しきらねばなりません。

後から、

グッタリするほどに、

エネルギーを消耗します。

ですから、

とりあえず、

話しだけ聞いてみて、

他と比べてみようと云う方を

瞬間に見抜けるのです。

その方にとっては、

ご自身はお客さんなのかもしれません。

が、

私にとっては、

迷惑な時間のロスでしかありません。

強気ですみません。

そのくらい、

医療者は、

労働過剰な状況でも

頑張っているんですよ。

ギリギリの状態で、

ナイチンゲールの気持ちになって、

プライベートもなく修練に務め、

試されては、

溜まりません。

あくまでも紳士の対応に務めていますが、

私には、守らねばならない大勢の患者さんが居られます。

大きなため息が。

そんな機会も、

悲しいですが、

在るのですよ。

もうすぐ春ですね

春の気配は

確実に身近に迫って来ています。

身体を人肌ほどの大気が

包んでいるのを感じます。

気がつけば、

桜の枝には、

小さな小さなつぼみ。

この間、

お正月であったのに。

つい半月前には、

厳冬のシカゴを散策していたのに。

もう春ですよ。

あっという間に、

4月を迎えるでしょう。

1年も3分の1を

消化したことになります。

速い!速い!

歯の治療のあり方

珍しい患者さんが、

今日、

お越しになられました。

お久しぶりです。

この方の初診の際の所見です。

これもセラミック修復だそうな。

歯周組織が泣き叫んでいましたね。

サージェリーです。

仮歯にて、

歯肉の熟成をジッと待ちます。

現状の様相です。

メンテナンスはフロス主体に変えようと思います。

先々を見据えた上で

超高齢者社会を

初めて経験する訳ですから、

国にアレコレ文句をつけても、

それは、

国も気の毒だと思うのです。

国民全体が、

超高齢者を重荷に感じるようにならないように、

この国の礎を造って下さった方々だと、

感謝の気持ちで、

安心して暮らして頂けるように、

工夫することが大切だと。

私なんか、

しがない開業歯科医師でしかありませんが、

患者さんの治療を行うに際して、

その方が、

超高齢者になられた姿をイメージして、

治療方法の選択なり、

実際の治療を行っています。

それは、

患者さんとの長期間の付き合いがあったから、

そういうことが考えられる訳です。

20年前に60を過ぎた方も、

今では80を越えておられる訳です。

皆さん、

顎関節の動きもスムースで、

口腔の状態も、

綺麗に維持できています。

これは、

長らく私のメンテナンスを受けて下さったからで、

その辺りの通り一辺のメンテナンスとは、

私ん処は違うと自負が在りますから。

私の診療は、

【考える歯科治療】です。

治療だけ私ん処で受けて、

メンテナンスを他で受ける患者さんも、

多くはありませんが、

居られます。

こういう方には、

私は何も言いません。

面白い方も居られました。

上の歯は、

私が全てインプラント治療を行いました。

比較的、

噛み合わせの安定した症例でした。

で、

なんとか上の危機は逃げキレたぞ!

よし、

右下奥ブリッジを、

根管治療からやり直して、

キチンとしたブリッジを再製し、

完璧な噛み合わせを造ろうとした矢先、

先生ところより、

○○先生処は近いし、

費用も安いから、

○○先生処で治療受けて良いですか?

私は、

どうぞ、どうぞと答えつつ、

○○先生の腕前と診断力を見させて貰おうと。

ただ、

この患者さんに費やしたエネルギーは、

完全に無駄であったと、

のけ反ったのです。

○○先生処で、

月に一回のメンテナンスなのだそうな。

ブリッジの形態は、

私の母校の付属病院の新人医師程度。

根管治療の出来映えは、

卒後1年程度のキャリアの仕事と変わりません。

田舎だからヤってゆけるのでしょう。

極め付きは、

超音波歯ブラシの使用を私に聞いて欲しいとの依頼。

私の診療所に3ヶ月に一度の割合で、

メンテナンスにお越しになられるのですが、

私は石になるしかないのです。

見て見ぬふりをしなければなりません。

歯科治療の質など、

一般の方には、

皆目解らないのも

よく判るのですが。

ご自分のお身体です。

その辺りも。