日別アーカイブ: 2018年3月10日

予知する能力

49歳の女性の口腔所見です。

下顎の歯肉を注意して観て下さい。

左右の差がお分かりになりますか?

この方の初診は24年前です。

今では立派な大学生のお母さんですが、

当時はきゃピきゃピの証券会社のOLさん。

歯列矯正治療を成長期に受けておられたのですが、

これは、

完全なる矯正治療の失敗症例でした。

様々な問題が、

将来的に予想されました。

歯肉退縮も予知されました。

でも、

患者さんには理解できっこありませんよね。

左右に治療の差を付けました。

左側には歯肉移植を。

右側は、そのままで。

25年経って、

その差が歴然ですね。

当然、

左右での、

歯のグラグラ度合いも違います。

私らの仕事には、

将来の予知も大切です。

 

ため息

午後からは、

大がかりな歯肉移植の手術です。

東京からの患者さんです。

治療の必要性を熟知されておられるので、

治療の説明は楽でした。

人それぞれに、

体質的な違いがあり、

私らは、

その違いを丁寧に見つけるのも

仕事の一部です。

に対して、

何でもかんでも、

私らを疑ってかかる方も

多くはありませんが居られます。

誠実に対応させては頂くものの、

私の時間は限られています。

ただ、

私は黙って、

その方の歯科治療に関する知識を聞いています。

一通り、

お聞きした処で、

私は微笑んで、

席を立つしかありません。

こういう時に、

スタッフの宮田君は

上手に手当てしてくれているのだと思います。

私は本当に歯で困った患者さんのために

自分の知識と技術を出しきらねばなりません。

後から、

グッタリするほどに、

エネルギーを消耗します。

ですから、

とりあえず、

話しだけ聞いてみて、

他と比べてみようと云う方を

瞬間に見抜けるのです。

その方にとっては、

ご自身はお客さんなのかもしれません。

が、

私にとっては、

迷惑な時間のロスでしかありません。

強気ですみません。

そのくらい、

医療者は、

労働過剰な状況でも

頑張っているんですよ。

ギリギリの状態で、

ナイチンゲールの気持ちになって、

プライベートもなく修練に務め、

試されては、

溜まりません。

あくまでも紳士の対応に務めていますが、

私には、守らねばならない大勢の患者さんが居られます。

大きなため息が。

そんな機会も、

悲しいですが、

在るのですよ。

もうすぐ春ですね

春の気配は

確実に身近に迫って来ています。

身体を人肌ほどの大気が

包んでいるのを感じます。

気がつけば、

桜の枝には、

小さな小さなつぼみ。

この間、

お正月であったのに。

つい半月前には、

厳冬のシカゴを散策していたのに。

もう春ですよ。

あっという間に、

4月を迎えるでしょう。

1年も3分の1を

消化したことになります。

速い!速い!