月別アーカイブ: 2016年7月

日本歯科大学保存学講座の旅烏

私が日本歯科大学の保存学講座に在籍の頃、

大学自体も恐らく輝かしい時代だったんでしょうね?

歯科黄金期とでも言いましょうか?

今とは隔世の感を覚えます。

ウチの医局は派手だったんでしょう。

学会発表も盛んだったと思います。

教授は野暮天でしたが、

スタッフはモテましたね。

その頭が准教授であった山口隆司先生で、

以下みんな格好良かったと思います。

時は流れ、流れて、

山口隆司先生始め、私も皆が落ちついたようです。

私と山口先生二人、

私らは医局のハグレ者だと自覚していますが、

今は心を改め、

医局、大学への恩返しのために奮闘しているんですが、

先日、

その流れで、

色んな方とお会いして、

今後の仕事の種別けに追われていました。

が、

気がつけば、

私らはヤハリ、地が出るんでしょうか?

女性には、

ついアマイ手当てを。

綺麗な女性には、

もっとアマイ対応を。

山口先生と私の

研究や講習会などの仕事は果てしなく続くんでしょうが、

この二人の旅烏、

ついお人好しが出てしまうのです。

歳をとっても、

心は少年なんじゃい!

コレは山口語録の中の1つです。

欧米人をも魅了する英文を認める紳士も、

心は少年なんですって!

この山口先生からボソッと、

「 三枝は女に優しいな」

ヤッパリ私も、

心は少年なのでしょう。

ただし、

言い訳ではありませんが、

私らは理想あるロマンティストなんです。

団塊の世代の男の大半は、

吉永小百合さんはウンコをしないしオナラもしないと、

心の底から信じて疑っていないのです。

女性は綺麗で居て欲しい!

だから私らは、

毎日、毎日、

歯を治療する傍ら、

紳士の嗜みでもって、

女性の口元が少しでも若返るようにと、

然り気無く、

手当てを尽くして頑張ってるんです。

根は真面目なんです。

 

 

爽やかな人たち

土曜日から来客があり、慌ただしい連休でした。

で、

帰宅してスーツを脱ぎ捨てながら、

テレビのスイッチをいれたら、

画面に、

カトパンと森高千里が涼しげな浴衣姿で

歌番組の司会でしょうか?

コレは凄い豪華キャストと、

間にはさまれた歌手を

なんとも羨ましく想い、

コレが自分なら

マイクを手に唄いまくれるわなと、

先ほどまでの慌ただしさは

何処かへと

飛んでいった始末。

最近、仕事をご一緒させて頂くようになった

嘗ての恩師である日本歯科大学保存学講座の准教授であった

山口隆司先生からは、

今更ながら多くの事柄を学ばせて頂いています。

偉ぶらず、

飄々と、

で、

自然体にて仕事を捌く。

先生も恐らく、

この10年程の間に

思う処があったのだろうと。

謙虚な姿は誠に清々しく、

夏の猛暑を感じさせない

立派な紳士へと変貌を遂げておられます。

歳をとっても、

人によっては、

まだ伸びしろが在るんだなと。

そういう人になりたいと。

吉澤さゆり女史も、

相変わらず爽やかで、

私はお二人を前に大いに感じる処ありの

有意義な休日でした。

歯科医師である前に

今日も朝一番から手術です。

多くの手術の患者さんが集まって下さいます。

悲しいのは、

他所の歯科医院インプラント治療を受けた

後始末ばかりということでしょうか?

私の診療所には、

【歯科医師不信】の患者さんが多く集まって来ます。

私は、自然体で接しています。

私は偶然にも歯科医師になっただけのこと。

私は患者さんの前に、

【私】で立っています。

 

舞台の裏

今日も手術やセラミックス修復、

その合間にダイレクトボンディング修復など、

休む暇もないでしょう。

寸時の休憩時も

治療計画立案中の患者さんの資料を

院長室の机の直ぐ脇に置いています。

一服時にコイーバを燻らせながら、

多方面から異常の有無や、

その原因を探す作業に余念はありません。

どうやって治すのか?

の前に、

何故この様になったのか?

原因を究明することが大切です。

治療を進めていく過程において、

基の基を辿った【眼】で治療することの意義を

若い歯科医の先生方にモット認識して頂きたいと思います。

インターネットの普及にて、

誰でも簡単に情報を手に入れることができる時代です。

が、

情報入手は【学問】ではありません。

歯科医学はれっきとした学問ですから、

歯科医学の真実をインターネット情報で入手し

それを、あたかも歯科治療と認識されることは

大変危険なことです。

スマホで簡単にレシピを録れる時代だそうですね?

それなりの料理は造れるでしょう。

が、

それと【プロ】の仕事を一緒に勘違いすることは

愚かしいことです。

帰宅後も、

犬と遊んで束の間のリフレッシュ。

それ以外は、

歯三昧なんでしょうね?

世間の寝静まったころ、

書物に向き合うのは有意義です。

その積み重ねが、

学問の足腰を鍛えてくれる唯一の手段だと思います。

私らは、

患者さんを前に【看板役者】を演じきらねばなりません。

その舞台の陰の努力も忘れてはなりません。

 

現代のお父さん

私は商家の生まれです。

昭和の38年生まれですから、

日本の高度成長期に育ったことになります。

大勢の従業員も雇用していましたし、

労働基準法の厳守以前の、

敗戦から立ち直れ!

より豊かな暮らしのために

国中一丸となって働いていたような時代だったと思います。

歯科の道に進んでからは、

歯科大ってのは謂わば職業訓練大学ですから、

一つの目的のためにひたすらレールに乗せられる日々を

余儀なくされます。

この様な時代を経た私ですから、

今の時代の普遍の定義の一部に、

違和感を覚えることが多いのです。

随分と前の話しになりますが、

帰宅し食卓に着き、

箸をとって、

大根と豚肉の煮物を一口、

で、

味噌汁を一口。

【不味い】

別段、私は美食家ではありません。

が、

沖縄生まれの沖縄育ちの家人に

責めるもの申し訳ないのですが、

日本の味に似通ったモノに

そのときは大いにカチンときたのです。

私は昭和の男ですから。

が、

家人は怒ったのでしょう。

翌朝は

口もきかず、

私の食事だけ用意はなく、

子供たちの登校に車を出す気配もなく、

不貞腐れて、

リビングのソファーで寝そべっています。

体調でも悪いのか?

熱でもあるのか?

と、掌をおでこの持っていくと

手で払いのけられました。

注意すると、

貴方とは相性が合わないからと云う痛切な一言から

風船玉製造機のように次から次へと、

責める!責める!

で、結論は何時ものように家を出て行きます、と。

以前は、ぶん殴ったこともありました。

さぁDVだ!

犯罪者だ!

感情のコントロールの出来ない病気だ!

あぁ!殺される!

手を出した私に弁解の余地はありません。

してはならない事だと反省しています。

が、

女性の口の達者なのには

私ら男は無力です。

勢いある責めの台詞。

こう言えば、ああ返す。

その時の頭脳明晰さ。

で、

第二の矢は、

無視といった手段で、

ジワジワと私を締め上げてきます。

コレは私だけではないそうです。

仕事場では男は戦士。

帰ったら、

居候のようなモノ。

コレもみんなだそうです。

外では私は恐そうに見えるんだそうですが、

本当は、

私も現代のお父さんなんです。

 

繰り返し繰り返しから

朝の一番の患者さんはインプラントの人工歯の歯型採り。

お昼を跨いで、

マイクロスコープを使った根管治療でした。

今は14時過ぎですが、

そのくらい時間がかかります。

歯の先端部の小さな孔から、

根の先の骨にできた炎症の袋を

マイクロスコープ視ながら、

除去していました。

歯のなかも、

綺麗に綺麗に清掃して、

根の先端部の孔を、

MTAセメントにて緊密に填めていました。

この歯は大丈夫です。

疲れたので、

チョコレートを口に放り込んで、

次の手術を待っている処です。

スタッフの宮田君も、

当然、昼食は採れていません。

よく頑張ってくれて感謝しています。

開業歯科医って楽チンに見えるかもしれませんが、

コレが私の日常です。

私の治療は、

歯の治療を受けた方の

云わば【再治療】ばかりです。

県内の患者さんも、

わずかですが随分と増え出しました。

面白いのは、

転院されて来られる歯科医院って、

数件、決まっています。

インターネットで派手な処からの

患者さんが多いのには笑っちゃいますよね。

歯科医学って、

そんな単純な簡単なモノではありません。

毎日、毎日の患者さんを丁寧に診察する

繰り返しから、

大いに学ぶ事ができるのです。

自信過剰は、私らの成長を止めます。

謙虚な気持ちで、

患者さんの状況を見逃さないことが

私らの成長の秘訣だと、

私は、

その様に思って臨床に臨んできました。

歯科医学って、

おもしろい学問ですよ。

女性の時代

私くらいだけかと思っていたら、

共同研究者の山口隆司元准教授も共に、

夜の9時には床に就いて、

早朝に論文などの仕事をするのだそうです。

ですから、電話での打ち合わせは9時前には終わらせますし、

出張をご一緒させる頂く時も、

夕食は8時過ぎた位に

「 三枝 、そろそろココで。明日の仕事に差し控えるからな」

キチンと生活管理をされている事が伝わって来ます。

私らの仕事は、

患者さんを診る大変責任あるモノですから。

なんて偉そうな口を叩いていますが、

昔の私ら二人を知る人は、

今の私らの生活を絶対に信じないでしょう。

私らは、本当に遊んだ!遊んだ!

で、

研究もイッパイした!

そして、

女性にも大いにモテモテだったもんです。

今は本当に優しいオジイチャンになりました。

そい言えば、

昔、私を振った吉澤さゆり女史。

「三枝君、大人になったわねぇ」

と、しみじみ言われるのに、

「私も53ですから。子供ではありません」

先ほども診察中の患者さんが

テレビでの都知事候補の討論の感想を。

「 全く男はダメねぇ!

そう言えば先生も昔は女の人を

イッパイ泣かしたんでしょうねぇ?

ねぇ、宮田さん、そう思わない?」

私ですか?

うつむいて黙って聞いてました。

そうかもしれません。

女性の時代ですね。

 

 

笑顔で頑張りますね

忙しさにかまけて、

スタッフの宮田君の診療が出来ていないことを

大いに反省し、

週に1度は昼休みを割いて

宮田君の診療をしています。

宮田君が私の歳を迎える頃には

私は死んでしまっているでしょう。

若い人には、

私は出来るだけクラウンを入れたくありません。

出来るだけ、

歯を傷つけたくないからです。

少しずつ、少しずつ、

奥歯のダイレクトボンディング修復をしています。

盛り足して、

上下の歯のシッカリとした噛み合わせを作っています。

私が最初に仕事を組んだ歯科衛生士の岡田君は、

今でも時々、

電話にて会話をする付き合いが続いています。

8年ほど勤めてくれました。

私も若かったから、

よく岡田君を怒りました。

そんな岡田君が、

「私にとっては、最高のドクターでい続けています。」

と。

多くの歯科医と一緒に仕事を経験された岡田君の言葉は

大変、重く感じました。

宮田君がズット将来、

あぁ、三枝は厳しかったけど、三枝の為した歯は安定し続けている。

と、

思い出してくれることを意識しながら、

器具を手にしていましたが、

当の本人は、

眠っているのか、いないのか?

ラバーダム防湿下で、

スースーという静かな呼吸で、

そんな一時でした。

さぁ、また患者さんです。

笑顔で頑張りますね。

本当に困った時の歯科医院

私の診療所は【特殊】だと言われています。

門構えからして入り辛い。

診療所の内装も高そう!

治療方法も他とは違いそう?

私の考えです。

診療所の外装、内装については、

診療所は私の【舞台】です。

診療所は患者さんが私に身体を委ねる【神聖な場所】です。

最高の舞台を準備する。

それが私の患者さんへの感謝の気持ちです。

治療費用が高そう!

これはごめんなさい。

私は健康保険の治療はしていません。

訳は、

国にアレコレ縛られたくないからです。

私は愛国者です。

君が代も日の丸観ても、心が熱くなります。

有事に際には率先して医療活動に従事する積もりです。

が、

私は医師の裁量権を重要視しています。

私には私の治療方針があります。

国の規制に縛られたくはありません。

但し、一般の歯科医院に対しては批判的な目で見ています。

健康保険指定医であれば、国の定めた規則を厳守すべきです。

健康保険指定医でいながら、

健康保険の治療は不十分だと公言する医師に対して、

それなら健康保険指定を返せ!と、

声を大きくして言いたいです。

それが出来ないのは、

モシ患者さんが来てくれなかったらどうしよう!と、

自分に保険をかけている臆病者か、

技術全般に自信がないのだと、

私はナメタ目で見ています。

単なる意気地無しでしかありません。

コツコツと地域医療に従事する健康保険指定医に対しては

心から敬意をはらっています。

私の治療費用ですが、

健康保険と比べれば高額です。

が、

中途半端な保険医が商売で患者さんに勧める治療費用よりは、

安いと、

患者さんからは言われています。

私の人生は歯科のみでした。

幸せな人生だったと感謝しています。

だからこそ尚更、

【本当に歯で困った時に思い出して下さい】

私はいつでも扉を開いています。

 

キツイ仕事

朝の一番の患者さんから

マイクロスコープを使った【保存治療】です。

治療の最中は、

呼吸を止めて!の【勝負処】の連続です。

歯を抜かぬて済むと思えばこそ、

神経を長時間に集中出来るんだと思います。

今は、

今週のインプラントの手術の診断をしています。

次は、

オールセラミッククラウンの装着です。

噛み合わせの微調整で、

コレマタ疲れるんです。

それから諸々の雑用の嵐です。

実験も続いていますし、

若い先生方から送られてくる症例を

診なければなりません。

キツイ仕事ですが、

ヤッパリ楽しいんでしょうね。