私は商家の生まれです。
昭和の38年生まれですから、
日本の高度成長期に育ったことになります。
大勢の従業員も雇用していましたし、
労働基準法の厳守以前の、
敗戦から立ち直れ!
より豊かな暮らしのために
国中一丸となって働いていたような時代だったと思います。
歯科の道に進んでからは、
歯科大ってのは謂わば職業訓練大学ですから、
一つの目的のためにひたすらレールに乗せられる日々を
余儀なくされます。
この様な時代を経た私ですから、
今の時代の普遍の定義の一部に、
違和感を覚えることが多いのです。
随分と前の話しになりますが、
帰宅し食卓に着き、
箸をとって、
大根と豚肉の煮物を一口、
で、
味噌汁を一口。
【不味い】
別段、私は美食家ではありません。
が、
沖縄生まれの沖縄育ちの家人に
責めるもの申し訳ないのですが、
日本の味に似通ったモノに
そのときは大いにカチンときたのです。
私は昭和の男ですから。
が、
家人は怒ったのでしょう。
翌朝は
口もきかず、
私の食事だけ用意はなく、
子供たちの登校に車を出す気配もなく、
不貞腐れて、
リビングのソファーで寝そべっています。
体調でも悪いのか?
熱でもあるのか?
と、掌をおでこの持っていくと
手で払いのけられました。
注意すると、
貴方とは相性が合わないからと云う痛切な一言から
風船玉製造機のように次から次へと、
責める!責める!
で、結論は何時ものように家を出て行きます、と。
以前は、ぶん殴ったこともありました。
さぁDVだ!
犯罪者だ!
感情のコントロールの出来ない病気だ!
あぁ!殺される!
手を出した私に弁解の余地はありません。
してはならない事だと反省しています。
が、
女性の口の達者なのには
私ら男は無力です。
勢いある責めの台詞。
こう言えば、ああ返す。
その時の頭脳明晰さ。
で、
第二の矢は、
無視といった手段で、
ジワジワと私を締め上げてきます。
コレは私だけではないそうです。
仕事場では男は戦士。
帰ったら、
居候のようなモノ。
コレもみんなだそうです。
外では私は恐そうに見えるんだそうですが、
本当は、
私も現代のお父さんなんです。