月別アーカイブ: 2016年1月

歯に夢中

ゴルフや多趣味の歯科医からよく言われます。

ー  何が面白くて歯に夢中なんですか? ー

そんな事、私には判りません。

最新科学は、昔なら絶対に諦めていた癌をほぼ制圧する勢いです。

虫歯と水虫くらいじゃないですか?

あいも変わらぬ治療に追われているのは。

だからこそ、歯医者だからこそ、

虫歯をヤッツケたいのです。

日々の診療、トレーニング、そして研究。

私は其れで満足しています。

万歳!

研究に於いては、

次から次へと難問の壁にぶち当たります。

新しい知見を得るのが研究です。

チャレンジするのが研究です。

昨夜は、母校の岡先生が珍しく弱音を!

ー   先生、私は精神が壊れそうです  ー

越後人は通常は弱音を吐きません。

ー  岡先生、私ら歯科ドップリの人間は普通じゃありませんよ! ー

で、早朝

岡先生から画像がメールにて送られていました。

過酷な環境下で、私らの素材が生存している所見です。

岡先生は、またひとつひとつ、

大きな壁をぶち破ったようです。

想わず、万歳!と叫ぶオトナゲない私らです。

 

 

歯型彫刻

1月10日は戎様さまのお祭りの日です。

お参りへと娘らを引き連れてと云う処です。

その帰り道、

書店へと立ち寄って、

買い求めたのがこの書籍です。

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1976年出版ですから、

既に半世紀も前のモノです。

【歯の解剖学】の書物と、

【歯型彫刻】の書物では、

同じ歯の形であっても、

観る視点が大きく違います。

あくまでも歯の解剖学は基ですが、

言葉として知識を把握するのか、

それとも造形的に表現し認識するのかと云う

大きな違いがあります。

歯型彫刻を通して、

つねに客観的かつ正確という眼を持つ自主トレーニングが出来るのです。

私のダイレクトボンディング修復や、他の歯科治療の根源でもあります。

 

私と世間とのズレ

朝のワイドショーでタレントのお嬢さんの不倫騒動をジッと視聴する娘たち。

1年生の末娘には理解出来ないのでしょう。

其れを丁寧に解説する3年生の長女です。

吹き出しちゃいました。

パパの意見ですか?

どうでもエエやん!

池波正太郎の台詞の

【人は良い事をしながら悪い事をし、悪い事をしながら良い事をする】

脳裏を過ぎてゆきました。

私は単細胞なんで、

公共の電波で、特定の個人をこれ程までに木っ端微塵に叩くのは嫌いです。

あぁ!ヤバイね!と感じたら、

ソッとしておいてあげたい質なんで、

不倫した本人を責めるより、

其れを責める人に不快感を感じるんですが。

この辺に、私のズレが在るのかもしれません。

ありがたい母校

私は本来、開業医ですから、

自分の診療所のことだけを考えていたら良いのですが。

私は歯科医に成りたくて成りたくて、

現在に至っています。

私の歯科医としての今日は、母校で受けた教育のお陰と感謝しています。

私の診療の本質が、

【自主独立】と云う

日本歯科大学の建学の精神に乗っ取っての事であることは云うまでありません。

これからの歯科医は、益々大変になるでしょう。

今、母校にて学ぶ若人たちが、

先々への灯火が見えるようにと、

欠片ほどの補助にしか過ぎないかもしれませんが、

私らは、先導者としての務めが在ると思って、

私は新潟へと馳せ参じているのです。

確かな根拠のある歯科治療を

最近は材料が随分と良くなって、

誰でも、其れなりに見かけの良い審美的な歯科治療が可能になりました。

が、残念ながら治療直後の綺麗さが、

ズット続くかと云う事とは無関係です。

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コレが何だかお分かりになりますか?

細菌培養機です。

私は、患者さんの唾液の中の細菌の傾向を

絶えず留意して治療を進めています。

また、定期検査の期間も、

患者さんそれぞれの細菌の挙動によって変わってきます。

凡そで3か月後とか、半年後とか、

根拠のない決め事は、

専門家としては出来ません。

私の治療成績の安定した結果は、

あらゆる処に於いて、

患者さんそれぞれのデーターに基づいての治療の賜物だと思っています。

 

 

 

 

どの仕事に於いても

患者さんの身体を預かると云うことは、

其れは其れは、痛切な責任の重圧で押し潰されそうになるんです。

患者さんに対しては、ドッシリと、安定感ある対応を見せていますが、

実際は、患者さんには決して悟られないように、

広野で獲物を狙う野生動物の持つハンターの眼で、

病気の原因を見逃さないようにと、

全身の毛を逆撫でて、

緊急してるんです。

正に超覚醒状態にあると云って良いでしょう。

クタクタになって帰宅し、

で、朝が訪れて再び戦場である診療所へと。

臨床生活が長くなればなるほど、

怖さを知るようになります。

一見、歯科医と云う仕事は楽なように見えるかもしれません。

好きでないと、やってられないですよ。

但し、どの仕事であっても、

その世界にドップリと浸かりこむと、

そういうもんかもしれません。

歯科医の診療哲学?

先日、師匠から

ー  三枝君、多くの歯科医ってのはチンパンジーと同じでね。

歯科と云う梯子に登って、其処からの世界しか観てないんだね。

もう、そろそろ二足歩行に進化して、広い世界観を持たんとね! ー

ー   あぁ、それとチンパンジーは一夫一妻。他の猿は一夫多妻。  ー

出だしは、流石は我師匠!含蓄ある事を仰ると大いに頷いたのですが、

後半部分には、吹き出しました。

以前、知人の歯科医が、出来の悪い奥方に途方に暮れて

ー   三枝先生、なんで日本はアラブじゃないのかね?  ー

内心で、あんたにそんな甲斐性はないだろ!と想いつつ、

色々な同業が居ることを、

まぁ、当然と言えば当然なのですが、

師匠の言葉には、素直に耳を貸すのです。

ドッカの歯科医が、

【院長の診療哲学】として、

【家族にしてあげたい診療】をと声高らかに唱っていたのに触れて、

ヤッパリ、チンパンジーだなと。

【哲学の定義】として、

哲学の仕事の本質は、真理を解明すること

と、私は普通に解釈していました。

真理の解明と、家族にしてあげたい診療との間には解釈以前の、

????

教養に欠けると言っちゃなんですが、

だから歯科医は専門馬鹿と言われ、

まだ専門馬鹿なら救いはありますが、

単なる勘違いと言った方が良いのが多いと、

最近の歯学部不人気で、

世間から冷たい眼で観られる程にナサケナイ偏差値の歯学部ですから、

あぁ、ヤッパリ歯科医は完全馬鹿と言われかねない台詞は

止めて欲しいと。

哲学などと云う台詞は、

品格と教養が微塵でも在る大人の男であれば、

人様に声を大にして言うもんではないと、

青年期に教えられ、学ぶべきモンなのですが。

診療における判断基準とか、

クリニカル.ジャッジメントと云う単語が適切な言葉の使い方。

私の周りには、そう言う馬鹿な台詞を口にする歯科医は居ませんが。

 

あぁ!東大!

久しぶりですよ。

正に、山のように積み上げた文献を、

次から次へと。

苦心して読破した文献は、

横に積み上げていき、

しかし、年のせいか?

あやふやな記憶に不安になり、

再び読み返すことの繰り返し。

来年春のサンフランシスコでの学会で、

日本歯科大学の岡準教授の後方支援にと。

高校時代にこれ程に勉強していたならば、

東大へと行っていたであろうと想うのは、

恐らく岡先生も同じであろうと。

互いが50の坂を過ぎて、

イヤハヤと云う、

これも同じ想いだろうと考えながら、

患者さんの合間、家での瞬間を過ごす私です。

幾らなんでも

この観るも悲惨な状況に、私は唖然となりました。

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3か月も、歯科医院に通っての状況です。

治しているのか?壊しているのか?

歯科医が【はかいしゃ】と呼ばれる由縁が、此処にあります。

こんな状態で、歯磨きなどキチンと出来る筈ないじゃないですか!

腹がたちましたよ。

とりあえずは、綺麗に磨ける様にと、

緊急処置を。

仮の仮の即席治療ですけど、

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一回の治療で、このくらいまでは、

して差し上げないと

幾らなんでも、医者の免許を返した方が良いでしょう。