上顎洞を突き破って副鼻腔炎を発症した患者さんから連絡を頂きました。
上顎洞底挙上手術を受けて10年くらい経過した症例であれば、
インプラント周囲の移植骨は吸収されますから、
レントゲン所見では、インプラントが上顎洞を突き破ったように見えます。
この場合は全く心配ありませんし、
副鼻腔炎の症状は当然ありません。
この患者さんは耳鼻科にて、CT、MRI共に撮影され、
インプラントが上顎洞を完全に突き破っている所見が在るようです。
このような場合、インプラントが感染源ですから、
直ちに除去すべきです。
これは大変な苦痛を伴う治療ではありません。
仮にインプラントが骨と結合していても、
簡単に取り除く治療器具があります。
突き破って傷を受けた上顎洞粘膜は
半年もあれば完全に修復されます。
人の身体の治る力は、誠にありがたいモノです。
患者さんには呉々も心配しないようにお伝えしました。