日別アーカイブ: 2015年3月18日

情熱家ゆえに

歯に向かい合う時に、私の身体のなかの血は、煮えたぎっています。

眼をガッと見開いて、今では額に大きな深い皺が刻まれました。

歯をグッと食いしばり、奥歯は磨り減ってしまいました。

手の先に、全エネルギーを結集して、

手当てに精を出して来ました。

歯科には、それに値する魅力がありました。

若い時分には随分と悪さしたもんです。

日本歯科大学では今でも私の若い時分の武勇伝が語り続けられているようで、

今となっては、穴が在ったら入りたい心持ちです。

が、私のような半端者でも、まぁまぁ少しはお役にたてるようになったということで、

手に負えない程の馬鹿で悪い奴が、歯科のお陰でマトモになった見本ということで、

大学の教壇に立たせて頂いているんだと思います。

ですから私の話しは、学生諸君からしてみれば妙に説得力が在るんだと思います。

何にせよ、煮えたぎる程の情熱こそが、物事全ての原動力と信じています。

私の教育を受けし時代には、

ぶん殴られたり、ぶん殴って等は日常茶飯でした。

痛い目に遇わないと、身体で実感出来ませんから。

殴る方にも、キチンと情熱なり愛情があり、

殴られる方も、それを判っていましたから。

今の人は、大変お気の毒と思います。

変な上面の上品ぶった理屈に縛られていますから。

政治家だってそうでしょう?

路上でキッス?

病院で喫煙?

そりゃ良くないんでしょうが、

そんなことを公で、批判する方に、

私なんかは軽蔑しますが。

なんか淋しいですよね!あれが日本の政治家ですって?

小粒だと感じませんか?

こんなことを云うと叱られるかもしれませんが、

田中角榮元首相なんかと比べると器の大きさの違いを感じませんか?

日本中からアレダケ叩かれても、王道を貫いたんですから。

あぁ、ヤッパリ越後人だと、

早く新潟へ帰りたくなりました。

田中角榮元首相の初選挙の時に揚げたスローガン。

若き血の叫び!

日本の男子はこうでなきゃって感じませんか?

全速前進

規則正しい生活を身に付かせるために、9時には床に無理矢理就かせています。

遊び盛りの娘たちです。

当然、眠くはありません。

で、私も一緒に床に就くようになりました。

情けないことに、寝付かせるつもりが、此方が眠って仕舞う始末です。

これでは大人が幼児になってしまう!これではイケない!と、

夜中に起きて、読書なり書類に目を通すのが日課となりました。

暗闇の中を娘たちの寝相の悪さに驚き、

布団をかけ直そうと、

抱き抱えて枕を敷いてやり、

顔の鼻の付け根部分をそっと触って、どの娘かを判別しています。

大きい頭で鼻筋がしっかりしているのが長女で、ちっちゃくて、やはり鼻筋の通っているのが末のマナちゃんです。

おでこが出てて、小さな鼻の頭だけが顔にくっついているのが真ん中のモモちゃんです。

孫のような幼い娘たちに囲まれて、心静かに過ごしています。

私は17の歳に、この道を志しました。

グイグイと波を掻き分けて進む帝国海軍の駆逐艦のように、歯科の道一筋で過ごしてきました。

長い年月を経て、小さな駆逐艦から大和武蔵とまでは云いませんが、

軍艦くらいの規模の大きさには育ったと思います。

少々の空爆くらいは跳ね返す強さは持っている積もりです。

今、私は更に波を呑み込む積もりで、前へ前へと速度を上げる積もりです。

前に道などはありません。

大きな大洋の中を、ただひたすら舵をしっかりと握り締めて、

全速前進あるのみです。

この歳です。

今更、自分の欠点を改めるのに苦心するよりも、

自己の利点を更に活かして社会へ、患者さんへ、家族のために

残された人生を過ごすことを第1と思っています。