情熱家ゆえに


歯に向かい合う時に、私の身体のなかの血は、煮えたぎっています。

眼をガッと見開いて、今では額に大きな深い皺が刻まれました。

歯をグッと食いしばり、奥歯は磨り減ってしまいました。

手の先に、全エネルギーを結集して、

手当てに精を出して来ました。

歯科には、それに値する魅力がありました。

若い時分には随分と悪さしたもんです。

日本歯科大学では今でも私の若い時分の武勇伝が語り続けられているようで、

今となっては、穴が在ったら入りたい心持ちです。

が、私のような半端者でも、まぁまぁ少しはお役にたてるようになったということで、

手に負えない程の馬鹿で悪い奴が、歯科のお陰でマトモになった見本ということで、

大学の教壇に立たせて頂いているんだと思います。

ですから私の話しは、学生諸君からしてみれば妙に説得力が在るんだと思います。

何にせよ、煮えたぎる程の情熱こそが、物事全ての原動力と信じています。

私の教育を受けし時代には、

ぶん殴られたり、ぶん殴って等は日常茶飯でした。

痛い目に遇わないと、身体で実感出来ませんから。

殴る方にも、キチンと情熱なり愛情があり、

殴られる方も、それを判っていましたから。

今の人は、大変お気の毒と思います。

変な上面の上品ぶった理屈に縛られていますから。

政治家だってそうでしょう?

路上でキッス?

病院で喫煙?

そりゃ良くないんでしょうが、

そんなことを公で、批判する方に、

私なんかは軽蔑しますが。

なんか淋しいですよね!あれが日本の政治家ですって?

小粒だと感じませんか?

こんなことを云うと叱られるかもしれませんが、

田中角榮元首相なんかと比べると器の大きさの違いを感じませんか?

日本中からアレダケ叩かれても、王道を貫いたんですから。

あぁ、ヤッパリ越後人だと、

早く新潟へ帰りたくなりました。

田中角榮元首相の初選挙の時に揚げたスローガン。

若き血の叫び!

日本の男子はこうでなきゃって感じませんか?