カテゴリー別アーカイブ: ただの日記

人との関わり

今の若い人たちと接して思うに、

お行儀が良いのだなと。

それはそれで佳いのでしょうが、

私なんぞから言わせれば、

損だなと。

だって、

距離が縮まりませんもの。

その辺、

東京都吉祥寺開業の小出 明医師は、

可愛く感じさせてくれる若者です。

先生、天ぷら近藤行きたいんですが、

予約出来ないんです。

連れてって下さい。

よし!

で、早速手当てして、

小出君、次の上京時に、

内藤先生と奥方、そしてスタッフのお嬢さん方、

近藤の親父さんの目の前のカウンターと云うことで。

小出医師から大いに尊敬され、

面目躍如と云う塩梅。

このような付き合いが、

私は大切だと。

内藤先生は歯科医学における、

また、

人生全般において、

私の父親であり、

師匠です。

若い時分から、

内藤先生は私に対して、

私と小出医師のように接して下さったのです。

そんななか、

娘の通う中学から封書が届きました。

開封すると、

読売新聞でした。

娘が今後どのような人生を歩むのか。

が、

観ているんですね。

私ら医療人は、

常に紳士で在らねばなりませんね。

優秀なるマネージャー

今日も大きな症例が待っています。

治療以外の時間は、

まるで舞台を控えての、

リハーサルの連続のような暮らしです。

厳しい仕事に就いたモノだと。

食卓のテーブルが私の勉強机も兼ねています。

で、

いつもご覧の通り。

トイレに行くのも、

風呂へ入る時にも、

ご覧の通り。

金魚の糞のようなマリリンです。

6歳になりました。

早いモノですね。

私の日常の時刻管理は、

正確な体内時計を持つ、

この優秀なるマネージャーに管理されているのですよ。

命の入れ歯

毎日をインプラント治療とセラミック修復に追われています。

そんな私の緊張した精神を

癒してくれる治療が、

総入れ歯の治療です。

矛盾をお感じになられるかもしれません。

が、

私は総入れ歯の治療が好きなんです。

治療結果の全てが、

私の自己責任になります。

診断や治療技術の未熟さが、

即座に露見する治療。

それが総入れ歯の治療です。

無い処から、

全てを造りだすことの快感。

それはそれは、

ワクワクするもんです。

患者さんの方は、

良い迷惑かもしれません。

さっさと完成してくれい!

内心では、

そうお感じになられておられると感じる過程を、

必ず経験します。

それでも、

手順はキチンと踏むべきです。

私は正統派ですから。

で、

ある過程を過ぎた辺りから、

患者さんの心内に変化が生じます。

患者さんも楽しんでおられるのを

ビンビンと伝わりますもの。

このようにして、

完成した総入れ歯は、

私にとって、

患者さんにとっても、

命の入れ歯となるのです。

 

取り柄

午前から2時過ぎまで、

ずっとセラミック修復。

お昼休みなしで、

続いて、

総入れ歯の治療。

今は午後の5時前ですが、

今からインプラントの上部構造としての

メタルボンドクラウンの試適です。

治療に従事できることを幸せだと感じています。

それしか私には

何の取り柄もありませんから。

もう悪さはできませんね?

騒々しい羽田空港の出発ゲートを過ぎ、

立ち食いの中華そばが出来上がるのを待つ私の後ろから、

三枝先生ですか?

と声をかけられ、

振り向けば、

真面目そうな1人の青年が立っていました。

???

先ほどの講演会に居りましたと、

私の目を真っ直ぐに観て自己紹介する青年は、

爽やかな歯科医師でした。

なんでも私の日々のブログも観て下さっておられるとの事。

気恥ずかしい想いになりました。

最近、

このようなシチュエーションが多いのです。

学生時代に私の講義を受けたとか、

実習の際に叱られたとか。

歳をとったんですね。

私は若い歯科医師を心から応援しています。

歯科医学の門を叩いて、

この道を一生の仕事と選んだ若者に

心からエールを送っています。

少しでも若い歯科医師のお役にたつことが、

師匠への恩返しでもあるからです。

いつでもいらっしゃいと。

搭乗のアナウンスの中、

ゲートへ駆け走る若者の姿に

美しいと感じたのです。

 

 

恵まれた者

待ち合わせの際には、

其処が初めての場所であれば、

1時間は前に、

勝手知った処であれば、

15分前には、

と云うのが、

青年期に大人の男たちから

躾られて、

身についた習慣となりました。

師匠とご一緒させて頂く際には、

勝手知ったる場所であろうが無かろうが、

1時間前には、

それが弟子の所作だと思っています。

土曜の朝、

講演会場に到着した師匠の笑顔に

私は心が温まります。

おう!

左手をポケットに、

右手を挙げての何時ものスタイルでの挨拶に、

私はお辞儀をしてお迎えさせて頂きます。

これも、

25年の何時もの光景です。

内藤先生と言えばクラッシック.ジャガーやモーガンが有名ですが、

普段の足としてお使いの、

メルセデスのワゴンから大きな荷物を取り出して、

三枝君!

これでどうだい!

気に入ったか?

大工のヨゼフだ。

来年の春、

復活祭の日に洗礼を受ける私は、

クリスチャンネームを先生にお願いしたのです。

描かれた絵は、

イエスキリストのこの世での父、

聖母マリア様の夫である、

大工のヨゼフでした。

先生のご母堂様のご母堂様の描かれた絵です。

画家の血筋を

先生の歯学の中に感じます。

先生の歯学が芸術の域に達している大きな要因だと

日頃から秘かに、

師匠のお祖母様に興味を持っていたのです。

うん。

そうか。

その顔は気に入った顔だな。

これやるよ!

綺麗に手当てして送ります。

で、

名前はヨゼフ。

こっちは歯の大工だからな。

30過ぎた頃から、

何につけ、

暖かい眼差しで、

接して下さった師匠の気持ちに、

ますます佳い歯科医師であろうと、

決意新たに、

もっと、もっと、

励みましょうと、

感極まり、

言葉になりませんでした。

 

心配り

土曜の夜。

食事会のあと、

師匠がレストランから出るのを

後ろ姿が見えなくなるまで、

直立不動の姿勢で見送り、

さぁ、ホテルで寝るかぁ!

と、

帰宅準備に勤しむ私のコートの袖を引っ張るのは。

師匠の診療所で長年、

歯科衛生士として師匠のキャディを務める田中女史でした。

先生、ズルいぞ!

次、行くぞ!

普段は淑女の見本のような女史は、

虎,

もしくは、

大阪のオバチャンと化していたのです。

このような際に、

私は頼りないのです。

すがるような目で、

吉祥寺開業の小出医師に助けを求める私。

なんせ、

都内のど真ん中。

私は今自分が居る所在さへも知らないのですから。

受付嬢である高井女史は落ち着いた方で、

ご一緒して下さるとの事にて、

私と小出医師は、

師匠のヤンチャを真っ直ぐに引き継いだ

じゃじゃ馬女史にリードされ、

夜の巷へと出でたのです。

青山の上品なビルの細い階段を地下へと下り坂、

上品な戸を開き、

田中女史の店選びの眼力に

騒ぐ本人を他所に、

視る眼があるなと、

見直したのです。

酒も付きだし、肴も、

佳い仕事でした。

こういう佳い店は、

呑む側の気持ちをも変化させてくれます。

内藤先生のスタッフを日頃から

尊敬しつつ、

困った時には皆で助けて下さり、

私が一目置く、

数少ない【歯の仕事人】たちとの時間を

わざわざ作って下さった田中女史には、

その心配りに感謝したのです。

夜が更けるころ、

田中女史の肩を叩いて、

オバチャン、オバチャンと呼んで、

笑っている私が、

其処に居たのです。

 

名付けの親

早朝、

師匠である内藤正裕先生からの

携帯電話の着信音がけたたましく鳴り響きました。

明日朝一番にお会いするんだが?

はて?

で、

三枝君、

西暦で君の誕生日を正確に教えて下さい。

誕生日は先生の1日後です。

1963年です。

なんて云う会話から、

ピン!と、

気づいたのです。

翌年の4月1日はカトリックでは復活祭の日に当たります。

この日、

私は洗礼を受けます。

この際の、

カトリックネームの名付け親を

師匠にお願いしていたのです。

で、

どこの流派?

先生、それは決まっています。

私は正統派、伝統派ですから。

歯科は内藤、

キリスト教はローマ.バチカンですから。

師匠ですか?

笑っておられました。

歯の神様は聖アポロニアなんだが、

これは女神様だからねぇ。

いっそ、トランプでいくか!

ガッハッハ!

でも、

私の師匠は誠実な人です。

それでいて、

教養深い人です。

恩情のと情熱の塊です。

歯学博士号を頂き、

その後、

実戦の場に立った頃の青年期の私を

師匠はずっと観ては、

助け続けて下さいました。

そんな師匠ですから、

私の現世で使うよりも長く使う名前ですから、

師匠は私にマッチした良い名前を付けてくださると

安心しています。

心が沈んだ時には

長い一生ですから、

思うようにはままならぬ時が

何度も何度も襲ってきます。

この際に、

私は次のように考えられるようにしています。

悩みの原因が、

自分自身で解決できることなのか、

それとも、

私以外の事柄に起因しているものなのか、

例えば、

他人の性格なり考え方を容易に変えることはできませんね。

仕事上の問題が悩みの種であるならば、

私は悩みの種に挑み続けます。

実力が伴うまで、

コツコツと修練を続け、

その時を待ちます。

経済の悩みであれば、

情報の収集に努め、

知恵を搾り、

自分本意の分析にならないようにと

強く意識して、

情報の分析を行い、

問題解決のための戦い方は、

複数準備します。

3本の矢を次々に放つと云う戦術は採用しません。

解決に役立つ方法と考えられるモノが

3つでも7つでも、

私は一気にドカン!と、

同時に

網をかけるように、

大きく広げて、

問題点に投げかけるのです。

で、

間を置かず、

自分を全身火の玉のようになって、

ひたすら、

光の見える見える方へと突進し続けます。

で、

死にモノ狂いで、

働いて、働いて。

脳髄が血走るほど考えます。

眼球が真っ赤になるまで視ます。

汗だくになるまで、

働きます。

その際のプライドなど無意味です。

経済の悩みなら、

一生懸命頑張れば、

絶対に解決できます。

経済と仕事は、

ほぼ一致していますから、

仕事が順調であれば、

経済ので悩むことは特殊な場合でしょう。

人間関係の問題については、

あくまでも、

ソッとすべきだと考えています。

何事も天のお導きと。

 

 

 

 

 

魔法の手

昨日の最後の患者さんは、

上が総入れ歯、

下は全てインプラントにて治療を進めている患者さんでした。

インプラントにて修復するからといっても、

仮の総入れ歯は経験して頂かねばなりません。

多くの歯を

お気の毒にも失われてしまっておられます。

ですから、

噛み合わせを

1から造らねばなりません。

歯を列べる位置決めを必要とするからです。

お顔も、

歯があって、

シッカリと噛み合っていた頃とは、

随分と変化していることが、

お借りした若かりし時代のお写真から

容易に想像できます。

正常で健やかな老化とは思えない、

人的ミスが加わって、

今日の表情筋の形が形成された模様です。

顔。

シワ、

表情、

それぞれに【人の生きざま】が刻まれます。

その痕跡は大切にしたいと思います。

が、

ソッと、

私の手当てにて、

蓋を閉じるように、

軌跡を、

隠して差し上げることも度々です。

歯を列べる作業には、

歯科医師の持つ【魔法の手】が効を奏することも

若い歯科医師の先生方には、

気がついて頂きたいと思います。

最近、

顔について熟考するのです。

美容整形医のできない歯科医師だからこそ出来る

従来からのオーソドックスな治療のなかに

大きな宝物があることに気づいたからです。

昨日の患者さんには、

2回目の仮の総入れ歯をお入れしました。

瞬間、

お顔に若さが舞い戻ったのです。

真剣勝負でしたので、

私の側は、

患者さんがお帰りになられると共に

疲れが一気に吹き出しました。

院長室のソファーにチョと横になろうと。

で、

目覚めたら朝。