命のハサミ


この前に行ったのは、

お盆の頃だったと思います。

で、

昨日久しぶりに、

床屋の親父さんの顔を観て、

どうなさったの!

苦笑いで、

膵臓癌でね。

手術もできなくなってしまって。

私は言葉も出ませんでした。

長い間の付き合いでした。

6人の子宝に恵まれましたが、

皆が、

幼い頃に、

この親父さんのお世話になりました。

昨日は、

特に丁寧な仕事だったと思います。

会計を終えた時に、

頑張って、

男の最後の戦いに挑んで下さいとだけ、

それが精一杯でした。

朗らかな質の方でしたが、

悟りを感じ、

覚悟を感じ、

私は職人気質の強さを感じたのです。