息子との会話から


一見、無駄とも観える

親からすればハラハラさせられる遠回りな時間を

経験したからでしょうか?

それとも、

父の老いを感じて、

同情しての所作でしょうか?

最近、

息子からしばしば電話が在ります。

決まって、

父ちゃん!

と云う言葉から、

その時の会話が始まるのです。

で、

昨夜と言っても、

午後の7時前の頃。

9時には床に就く父の習慣を知っているからです。

何してるの?

丁度、

車の内装作業の最中であったので、

そんな話を返したら、

考え込むような、

フゥム~?

と云う唸りのような反応が帰ってきたのです。

どうした?

と、問う私。

大人の男も色々なんやね?

盛り場でトコトン騒いで楽しむ人。

ギャンブルにハマる人。

家でテレビを前にビールで乾杯の人。

地下室でヨットを造るギブス捜査官のような人。

この違いは、

どういう転機点で変わるん?

ギャンブル以外のほぼ全ての悪さを通過して

今日に至っています。

振り返れば、

大いに後悔と反省ある足跡です。

やむを得なかったのだと、

そう自分で自分に言い聞かせて納得させるしかありません。

が、

それと反し、

無我夢中で精一杯に、

駆け走り続けている最中であるのも事実です。

だからでしょうか?

1日に1時間くらいは、

私の場合には、

定規で寸法を計り、

下地を造り、

素材を加工し、

モノ造りに

頭と心の中を空っぽにする瞬間が

安定剤になっているのです。

他人目からすれば、

無意味に観えるかもしれない実験も、

未だに継続の最中ですが、

確実に1歩1歩、

前へ進んでいます。

講習会や講義の準備にも追われています。

これらは、

診察の合間を縫うように、

コツコツと。

毎日の診療は、

私の命の切り売りのようなモノ。

真剣勝負そのものです。

お越しになられる患者さんにたいしては、

誠実に、

丁寧に、

気を配って、

大きく包んで差し上げねばならない

年齢になったことを自覚し、

患者さんへの自分の観せ方も大きく変えました。

常に進化、進歩することを停止することを

私は許せません。

歯科へと取り組みについて、

私は自分に対して1番厳しいでしょう。

だから、

ギブス捜査官に魅せられるのかもしれません。