たまの休日


 歯科衛生士の宮田君が
新潟での研修の間、
私は休日を満喫しようと
前々から
楽しみにしていた。

 喫茶や映画にでも
出向いてみようと思っていたが
結局、
買いだめしておいた本を
数冊、読んだくらいで
束の間の休日は
儚く終わって仕舞った。

 但し、
喜んだのは
二匹の犬である。

 普段では慌ただしい朝の時間に
慣れっこになっている此の犬達は
この日は
何か様子が違う事を
察した模様であった。

 犬には
時間の概念が無いことを
何かの本で読んだ事があったが
其れは疑わしいと思った。

 身体を撫でろと
二匹に交互にせがまれ
飽きれば、
次は
散歩に出掛けたりで
瞬く間に
時間が過ぎていった。