時代の移ろい


英国は2040年までに、

ガソリンとディーゼルエンジン製自動車の

製造と輸入を禁止する決定を下したのだそうな。

時代は急激に変化しつつ在ります。

これに中国も追従する様相。

大排気量のフォード製トラックが好きな私は、

戸惑いました。

超高齢化社会を初めて経験する地球です。

近い将来私も、

その仲間入りする訳です。

いつ終わるのか判らない老後を、

実体験する訳です。

と言って、

死ぬのは恐いものです。

息子に言いました。

父ちゃんが死ぬ瞬間に、

メモしておくから、

聖母マリアさまの言葉を、

耳元で、

繰り返し、繰り返し、

唱えてくれぃ!

俺は気づいたのじゃ。

意識がなくても、

聴覚は生きている筈だと。

その際に、

怖がりの父ちゃんが、

不安で、不安で堪らんだろう時に、

般若心意じゃ、

父ちゃんは癒されんこと。

マリアさまの言葉は、

父ちゃんは何故か落ち着けるんじゃ。

ええな!

息子ですか?

テープレコーダーになった積もりで、

繰り返してくれるのだそうな。

安心しつつ、

若い人には理解できないのだなと。

親友の浅見博士に問うてみました。

彼は解剖学の教授です。

君は死ぬのは恐くないのかぃ?

恐いに決まってるじゃないか!

安心しました。

彼曰く、

死ぬ瞬間には、

恐らく脳内から大量のモルヒネのようなホルモンが分泌され、

痛くはないんじゃないかと。

私は尋ねます。

誰に聞いたんじゃ?

これだけは、

経験者に聞けないから、

俺は信じんなと。

君の父上は何と仰られてるんじゃ?

私は浅見博士の父上を尊敬しています。

親父かぃ?

毎日、死ぬのが恐いと言ってるわぃ!

歯科医師として極められた彼の父上は、

禅宗の仏門に帰依されていることを知っています。

ふ~ん?

ガソリン車は絶滅するでしょう。

それを人類、

そして自分と重ねるのです。