私の帽子姿を観た患者さんから
大いに褒められて、
相手は社交辞令なのでしょうが、
私は大いに自信を取り戻したのです。
通りのショッピング街のガラスに映る姿を
周囲に気づかれないように、
チラチラと眺めて、
そんな単純な処から、
いつまで経っても大人になれていないと
批判を受けるのです。
歯科医師と云う仕事、
子ども心を失っては到底できないのだ!
私は自己弁護しています。
どうして?
どうして?
考へ、
工夫し続けるのが、
歯科医師の本来の姿だと思います。
変わり者でないと、
歯科医師の仕事を全うできないと
そう今では開き直りました。
私の人生は歯科そのものでした。
これからも、そうでしょうか。
少年期に読んだ
トム・ソーヤやロビンソンクルーソーの物語に
心を高揚させ、
夢いっぱいに空想に耽った心模様が、
大人の私を歯科がドップリと魅了してくれたのです。
食べる手段が仕事だとは思いません。
といって、
ワーカホリックの狂気の沙汰の狭い了見の人で居たくはありません。
ただ、
道のない処を
自分で道を造って
一歩、一歩と、
大地を踏み込んで、
それが私の仕事です。