果報者


息子の引っ越しや娘の入寮などの準備が

頭から離れません。

本人たちは一向に気にしていないようですが。

何時になれば子離れ出来るのでしょう?

そんな私ですから、

息子位の年頃のお嬢さんが

患者さんとしてお越しになられた時には、

父親目線に成りがちである事を自覚します。

このお嬢さんが壮年になった時には私はこの世におりません。

その時に、

私の為した治療は健在であれ!

その様な想いで、

器具を手にしています。

最近になってからです。

これ程までに患者さんを温かく見守れる様になりましたのは。

若い時分には、

どうしても自意識の方が先に経ちましたようです。

今はタダタダ、

治療を楽しんでいる唯の果報者です。