臆病者


大学生の夏休み。

私はデパートの販売員のアルバイトに明け暮れていました。

悪友の甘い囁きがキッカケです。

【お金貰って、周りは若い綺麗な女性ばかりやで!】

コレは一石二鳥だと、

私らは喜び勇んでデパートへと出向いたのです。

今に想うと、

随分と勉強になりました。

店員食堂での素の姿の女性に呆気にとられ、

が、

色目を遣われば鼻の下を伸ばして。

当時一緒に遊び呆けた仲間で

6年で歯医者になれたのは私だけでした。

コレは私が優秀であったのではありません。

強いて言えば、

私が臆病者であったからだと思います。

これ以上、道を反れればヤバイ!と、

瞬時にブレーキを踏んでいたからだと思います。

治療においても、

私はとても臆病者です。

失敗したくないので、

病気の裏の裏まで探るようになりました。

それでもマダマダ悩みます。

自分の下した診断に見落としが無いか!と。

時々、その様な自分の性格が嫌になります。

面白いのは、

他人は私の性格を全く逆の評価としていることです。

観えるモノと実際の違い。

それは当時の私が感じた

デパートの女性販売員のようなモノかもしれませんね。