遊びから


息子の版画を見つけました。

小学6年の頃の作品です。

親バカと笑って下さい。

上手いと、私は思いました。

今でも遊んでばかりいる息子です。

が、

私は黙って、見守っています。

絵を書いたり、工作してばかりの娘たちです。

孫のような歳の娘たちからは

【チビまる子ちゃんちの友蔵じいさん】のような扱いを受けます。

そんな私を

周囲みんなが甘いと言います。

その甘やかしが、息子や娘たちをダメにする元凶であると。

結果の出せない現状の息子ですから、

私は押し黙るしか手当てはありません。

が、

押し黙れる訳は、別の意味も隠されています。

其れは、

息子も、まだ幼い娘も共に、

私の血を強く受け継いでいると確信しているからです。

歯科医に絶対に必要な条件は、

器用な指先を持つ事と、

遊び心がある事です。

歯科医師免許には実地試験はありません。

マークシート試験の結果で、合否が決まります。

ですから、歯科医師免許取得者の技術を、

免許は担保していません。

歯科医師イコール器用は嘘です。

技術向上に必要な要件は、

強い好奇心と工夫する心とアイデアの泉が在るかどうかです。

遊び心なくして【モノ造り】は出来ません。

私は【歯科】と云う仕事が好きです。

私は息子や娘たちを可愛いと思います。

ですから、

子達が歯科医師に成って欲しいと願っています。

幼い頃から若い間に、

十分に遊んでいないと、

器用な指先と遊び心は育ちません。

それが私なりの言い分です。

今日、新患でお越しになられた患者さんを診察し、

その気持ちが更に強まりました。

病気の原因に、患者さんの責任が無い症例が増えています。

治療した処ほど悪くなる。

歯科医師と歯医者は違うんだ!と、

私は頻繁に学生たちに口にします。

歯科医師は、歯科医師国家試験の合格者。

歯医者は、患者さんを背負うモンだと、

私は思っています。

歯医者に器用な指先は絶対必須の条件です。

マイクロスコープは単に拡大できる道具でしかありません。

視野が拡大するに比例して自在に動く指先がなければ

機械に負けてしまいます。

ダメなら抜いてインプラント!っていう決断が

皆さんチョッと速すぎませんか?と。

私ら【歯科保存学】専攻のモンからすると、

もっと【歯の重み】を

患者さんと共有して欲しいと思います。

インプラント治療においても、

私の眼前で、

インプラント治療が専門ですと言える度胸があれば

立派なモンです。

度胸を備えるのにも、

経験と遊びは必要ナンですよ。