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開業医って面白い

私の患者さんには経営者の方が多いのですが、

長い付き合いのなかで何処も、代替わりの際には大いにご苦労されて居られる様です。

特に創業者からの引き継ぎは、結構と大変なんだな!と。

親の七光りを嫌う二代目も多い様ですが、

案外、そういう二代目に、イマイチと感じさせられる阿呆が多いと感じます。

逆に、親の七光りを上手い具合に利用する二代目に、ピリリと山椒の風味ある人が多いようです。

当然、前者の会社は業績が悪化し、

後者は、先代よりも会社を大きく成長させているようです。

開業医を長くしていると、面白いですよ。

良い勉強になります。

本当の私

今日は珍しく遅くまで診療が長引きました。

根管治療でした。

神経を集中させて、器具に全魂を籠めての作業です。

ノリにノッて、気がつけばスッカリ、普段であれば自宅で夕食時まで、治療は続いていました。

グッタリして、自宅でテレビのスイッチを入れての得意のながら論文書きでもと。

フム!

贔屓の森高千里の声が聞こえるではありませんか!

なんで司会だけなんじゃい!

最近、テレビを観ながらの独り言が多くなりました。

歌の最中は論文を認め、で、司会に代われば、再び視線はテレビへと。

ヤット待ちに待った、あのメロディに、つい大きな声で合わせて歌う大人気ない私は

若い時分から変わっていないような気がします。

なんで1曲だけで終わるんじゃい!

コレが本当の私です。

あぁ!忘れてた!

日本歯科大学の岡先生の奥方からの差し入れで、忘れていた大切なことを思い出したのです!

私も長女も朝は、豆腐の味噌汁に鮭の焼き物、勿論、米は越後のコシヒカリ。

この時期になると、新潟村上市の三面川に登る鮭の漁も解禁となり、

で、日本海からの冷たい風も冷えきってきた頃合いです。

私は、鮭は村上産しか認めていません。

【越の雪】の味わいで、忙しさにかまけて、この鮭を注文するのをスッカリ忘れていました。

鮭は内臓を取り除き、何度も塩水で洗った後で、

折った割りばしで裂いた腹を大きく開いて、

軒先に吊します。

この鮭を、日本海からの風に数日間、曝すのです。

ホクホクご飯が何杯でも進みます。

これこそ日本人。

頑張って仕事に精を出そうと、つい思わせてくれる私への自分からのご褒美だと思っています。

悪戦苦闘

何年か前に、大学時代からの親友で今は群馬の医療系大学で解剖学の教授を務める浅見友市朗博士からの助言にて、

私はブログでの語り口調を変えました。

当人の私では到底に気がつかなかった助言に、旧友の温かさに感謝したのです。

贔屓の作家が池波正太郎氏であることから、読み慣れているからなのか、ハタマタ好みからのモノなのかは

私には判りません。

が、確かに古臭い語りかたであったように思います。

それでも、それが本来の私の認め方です。

自分の好みとは別に、私は悪戦苦闘しながら、毎日のブログを認めています。

ここ最近、私は研究計画書なり研究報告書を書かねばならないと云う境遇となりました。

私の専門は歯学です。

歯学は自然科学の範疇に属します。

ここで私は、大学院の昔に帰って再び、自然科学の文体を書く羽目となりました。

自然科学の文章は一種独特の癖があります。

例えば、通常であれば

【頬に心地よい風が吹いていました】を

自然科学の文体では、

【高松市亀井町8ー4に、北北東から風速1メートルの風が午後16時40分現在、記録されている】

と云う風になるのです。

大きな研究です。

多くの研究者が関与します。

患者さんの合間で、自宅では殆んどの時間を、関連文献を熟読したり、キーボードを叩いたりで。

悪戦苦闘の私です。

恐らく、この生活は数年は続くでしょう。

それが私の望んだ仕事です。

今しがた、新潟から小包が届きました。

共同研究者である日本歯科大学の岡先生の奥方からの差し入れでした。

封を開いて、【越の雪】をひとつ、口の中に放り込みました。

瞼の中に、私の好きな新潟の風景が甦り、

当地の寒さとは別に、私の心は温かくなりました。DSC_0109

歯科医の使命

池波正太郎氏の作品のなかで【剣客商売】を特に好んで、何度も読み返す私です。

剣の道と歯の道には、大いに共有する部分に気がつくようになったのは、

私が既に若くはない証しかもしれません。

開業医も商売と言ってしまえば、其までの木阿弥だと思います。

と言って、逆に食っていけない程の歯科医が増えているのも事実なのですが、

それは当人の努力不足の結末であることも自覚しなければならないでしょう。

患者さんから支持される努力を怠らなければ、

患者さんのお役にたちたいと心から欲していれば、

それは患者さんに自ずと伝わりますので、

患者さんが来なくて困ることはないと思います。

私のような特殊な歯科治療を専門にしている処でさえも、

患者さんは大勢にお越しになられるので、

私の考えに誤りはないと考えています。

剣の道においては、瞬時の判断の誤りが命取りとなります。

そのような意味に於いては、歯科医は未々アマイのかもしれません。

医師なり歯科医を特に偉いとは考えていません。

単なるある種のプロの職域に在ると云う程度にしか考えていません。

但し、他のプロとは大きく異なる特殊性が在ると云うことは、

私らは自覚しなければなりません。

かけが得ない人の身体を与る仕事であることの責任と、

人の健康に寄与する使命感を持つことです。

私はプライベートでは、歯科医と余暇を過ごすことはありません。

私はゴルフ等はたしなみませんし、特に趣味と言えるモノもありませんが、

余暇を歯科医と過ごすようになれば、

私は終わったと思っています。

プロとは孤独な職業だと考えています。

自己の技術の向上に努め、

それでいて、

仕事を通じて社会にお役にたつ気持ちを持たなければ

単なる、それこそ商売人でしかないと考えています。

私の使命は、先ずは自分の出来る処から、

少し背伸びして、

この10年ほどは、虫歯の制御に取り組みたいと考えています。

患者さんとのコミュニケーション

私は患者さんに頻繁に電話をします。

手術の後とか、治療の手順が複雑な時の段取りの打合せなどのためです。

気になったら、どうしようも無くなる質です。

私の宝は、患者さんですから。

また、私の治療は症例によって、様々な球筋を変えます。

パターン化していませんので、スタッフは大変だと思います。

ですから、直接、患者さんに電話をかけて、直接にやり取りするのです。

治療しながらの見落としが無いように、

患者さんとの直接のコミュニケーションがとても大切だと、私は考えます。