歯科医の使命


池波正太郎氏の作品のなかで【剣客商売】を特に好んで、何度も読み返す私です。

剣の道と歯の道には、大いに共有する部分に気がつくようになったのは、

私が既に若くはない証しかもしれません。

開業医も商売と言ってしまえば、其までの木阿弥だと思います。

と言って、逆に食っていけない程の歯科医が増えているのも事実なのですが、

それは当人の努力不足の結末であることも自覚しなければならないでしょう。

患者さんから支持される努力を怠らなければ、

患者さんのお役にたちたいと心から欲していれば、

それは患者さんに自ずと伝わりますので、

患者さんが来なくて困ることはないと思います。

私のような特殊な歯科治療を専門にしている処でさえも、

患者さんは大勢にお越しになられるので、

私の考えに誤りはないと考えています。

剣の道においては、瞬時の判断の誤りが命取りとなります。

そのような意味に於いては、歯科医は未々アマイのかもしれません。

医師なり歯科医を特に偉いとは考えていません。

単なるある種のプロの職域に在ると云う程度にしか考えていません。

但し、他のプロとは大きく異なる特殊性が在ると云うことは、

私らは自覚しなければなりません。

かけが得ない人の身体を与る仕事であることの責任と、

人の健康に寄与する使命感を持つことです。

私はプライベートでは、歯科医と余暇を過ごすことはありません。

私はゴルフ等はたしなみませんし、特に趣味と言えるモノもありませんが、

余暇を歯科医と過ごすようになれば、

私は終わったと思っています。

プロとは孤独な職業だと考えています。

自己の技術の向上に努め、

それでいて、

仕事を通じて社会にお役にたつ気持ちを持たなければ

単なる、それこそ商売人でしかないと考えています。

私の使命は、先ずは自分の出来る処から、

少し背伸びして、

この10年ほどは、虫歯の制御に取り組みたいと考えています。