日別アーカイブ: 2015年11月20日

心を落ち着けるため

私は手持ち無沙汰の手当てに、ブログを認めています。

先程、手術を終えて、

次の患者さんは他所でのインプラント治療の失敗でしょう。

なんとかインプラント本体だけはレスキューさせようと、取りかかる手当の第1段階の治療に入る患者さんです。

仕事に馴れは禁物だと思います。

その仕事、仕事の度に、初めて臨む初心の心を忘れてはならないと思っています。

朝の患者さんとの雑談で、

ー 先生は若い頃に悪さし過ぎてって処でしょう? ー

ー 何で? ー

私は律儀な優等生ではありません。

物腰穏やかな性格でもありません。

情熱の歯科医で居たいと。

患者さんが、来られた様です。

さぁ、緊張モードに。

インプラント手術の度に

インプラントメーカーなり歯科技工所の方からは

この地方においては、

私の診療所くらいインプラント治療の多い処はないのだそうです。

毎日をインプラント治療で過ごしています。

単にインプラントを埋め込むだけの比較的容易な症例から

大幅な骨の改造を必要とする難症例まで、さまざまですが、

何10年経った今でも、手術の前には緊張しています。

院長室で、手先を擦って解して、温めて、

身体を揺すってストレッチしたり。

頭の中は、手術の手順をイメージしながら、ゴソゴソしたり。

患者さんの前で、自信満々!と云う真似は私にはできません。

手術を前に緊張する患者さんに、

ー 私もおんなじですよ。私も恐いんですよ。 ー

で、一緒に大笑いなんてショッチュウです。

人の身体をあずかる責任に、押し潰されるほどに苦しい時もしばしばです。

最近、歯科医院にコンシェルジュとかコーディネーターと云う役割のひとが居られる処も在るそうな。

私から云わせて貰うと、阿呆!の一言です。

私らは身体を張って、切った張ったの世界で生きています。

医者の免許も心得も、経験もない輩が、何を根拠に治療説明するんじゃい!

する方も馬鹿、させる方がもっと馬鹿と、私は思っています。

患者さんの顔もロクロク観ないで、パソコン叩いて電子カルテをと云う馬鹿な医者も増えていますが、

それよりもズット程度の低い医療感だと思います。

私の診療所では、絶対に考えられません。

これが三枝デンタルオフィスの流儀です。

歯科医の苦悩

私の歳にもなれば、患者さんの心の内側は手に取るように判るもんです。

其れが経験と云うもんだと思います。

特に初診でお越しになられた患者さんなどは、

私との人間関係は構築できていない訳です。

私が笑いながら、患者さんに語る台詞があります。

歯医者への感情は、例えるならば、鮨屋、弁護士の類いと同じなんでしょう?

どれ程の腕前か判らない!

いくらか採られるか判らない!

私は常に、逆の立場になって物事を観るようにしています。

私が患者さんの立場であれば、そう想いますもの。

少しでも、治療を受けて頂きたい情況を提供する気持ちは強いのですが、

はなから疑う気持ちが強いお方も、たまに見受けられます。

こういう時は、セツナイですね。

私らは、何も悪いことをしようなどといった気持ちは毛頭ありませんので。

ヒポクラテスの誓いがあります。

患者さんの不利益になる治療方法は絶対に選択しないという誓いです。

歯は命に関わることがないと、はなから軽い気持ちで来られる患者さんには、

辛いセツナイ想いを遺します。

インターネットで、簡単に医療情報を入手出来ますが、

其れは氷山の一角でしかありません。

にわか知識ほどに恐ろしいモノはありません。

プロフェッショナルと素人との間の大きな壁は、インターネット情報では解決できないのです。

私はプロフェッショナルだと云うつっかえ棒に支えられて、日々を患者さんの診察に従事しています。

私は歯医者の仕事を楽しんで過ごしています。

が、反面にセツナイ想いも味わっています。