平成2年、西暦で謂えば1990年の今日、
新潟市の空には
満点の星が輝いていた。
初めての子を
授かった日であった。
来春早々に
博士号の審査を控えた私は
慌ただしい日々を過ごしていた。
此の娘も
来春には
大学を卒業し
社会へと
旅立ってゆく。
平坦な人生を
難なく送って欲しいと思うと供に
躍動感ある人生をとも
矛盾に満ちた想いを描く。
遠くで見守ってやるしか出来ぬが
幼い頃に教えた様に
困った時には
何時でも父は
お前の左の肩の上に
留まって居るのを
忘れてはならじ。
今日、父は
新潟に在る。
あの日と同じ様に
今夜は空を見上げて
独りで盃を傾けよう。