カテゴリー別アーカイブ: ただの日記

ため息

午後からは、

大がかりな歯肉移植の手術です。

東京からの患者さんです。

治療の必要性を熟知されておられるので、

治療の説明は楽でした。

人それぞれに、

体質的な違いがあり、

私らは、

その違いを丁寧に見つけるのも

仕事の一部です。

に対して、

何でもかんでも、

私らを疑ってかかる方も

多くはありませんが居られます。

誠実に対応させては頂くものの、

私の時間は限られています。

ただ、

私は黙って、

その方の歯科治療に関する知識を聞いています。

一通り、

お聞きした処で、

私は微笑んで、

席を立つしかありません。

こういう時に、

スタッフの宮田君は

上手に手当てしてくれているのだと思います。

私は本当に歯で困った患者さんのために

自分の知識と技術を出しきらねばなりません。

後から、

グッタリするほどに、

エネルギーを消耗します。

ですから、

とりあえず、

話しだけ聞いてみて、

他と比べてみようと云う方を

瞬間に見抜けるのです。

その方にとっては、

ご自身はお客さんなのかもしれません。

が、

私にとっては、

迷惑な時間のロスでしかありません。

強気ですみません。

そのくらい、

医療者は、

労働過剰な状況でも

頑張っているんですよ。

ギリギリの状態で、

ナイチンゲールの気持ちになって、

プライベートもなく修練に務め、

試されては、

溜まりません。

あくまでも紳士の対応に務めていますが、

私には、守らねばならない大勢の患者さんが居られます。

大きなため息が。

そんな機会も、

悲しいですが、

在るのですよ。

もうすぐ春ですね

春の気配は

確実に身近に迫って来ています。

身体を人肌ほどの大気が

包んでいるのを感じます。

気がつけば、

桜の枝には、

小さな小さなつぼみ。

この間、

お正月であったのに。

つい半月前には、

厳冬のシカゴを散策していたのに。

もう春ですよ。

あっという間に、

4月を迎えるでしょう。

1年も3分の1を

消化したことになります。

速い!速い!

歯の治療のあり方

珍しい患者さんが、

今日、

お越しになられました。

お久しぶりです。

この方の初診の際の所見です。

これもセラミック修復だそうな。

歯周組織が泣き叫んでいましたね。

サージェリーです。

仮歯にて、

歯肉の熟成をジッと待ちます。

現状の様相です。

メンテナンスはフロス主体に変えようと思います。

先々を見据えた上で

超高齢者社会を

初めて経験する訳ですから、

国にアレコレ文句をつけても、

それは、

国も気の毒だと思うのです。

国民全体が、

超高齢者を重荷に感じるようにならないように、

この国の礎を造って下さった方々だと、

感謝の気持ちで、

安心して暮らして頂けるように、

工夫することが大切だと。

私なんか、

しがない開業歯科医師でしかありませんが、

患者さんの治療を行うに際して、

その方が、

超高齢者になられた姿をイメージして、

治療方法の選択なり、

実際の治療を行っています。

それは、

患者さんとの長期間の付き合いがあったから、

そういうことが考えられる訳です。

20年前に60を過ぎた方も、

今では80を越えておられる訳です。

皆さん、

顎関節の動きもスムースで、

口腔の状態も、

綺麗に維持できています。

これは、

長らく私のメンテナンスを受けて下さったからで、

その辺りの通り一辺のメンテナンスとは、

私ん処は違うと自負が在りますから。

私の診療は、

【考える歯科治療】です。

治療だけ私ん処で受けて、

メンテナンスを他で受ける患者さんも、

多くはありませんが、

居られます。

こういう方には、

私は何も言いません。

面白い方も居られました。

上の歯は、

私が全てインプラント治療を行いました。

比較的、

噛み合わせの安定した症例でした。

で、

なんとか上の危機は逃げキレたぞ!

よし、

右下奥ブリッジを、

根管治療からやり直して、

キチンとしたブリッジを再製し、

完璧な噛み合わせを造ろうとした矢先、

先生ところより、

○○先生処は近いし、

費用も安いから、

○○先生処で治療受けて良いですか?

私は、

どうぞ、どうぞと答えつつ、

○○先生の腕前と診断力を見させて貰おうと。

ただ、

この患者さんに費やしたエネルギーは、

完全に無駄であったと、

のけ反ったのです。

○○先生処で、

月に一回のメンテナンスなのだそうな。

ブリッジの形態は、

私の母校の付属病院の新人医師程度。

根管治療の出来映えは、

卒後1年程度のキャリアの仕事と変わりません。

田舎だからヤってゆけるのでしょう。

極め付きは、

超音波歯ブラシの使用を私に聞いて欲しいとの依頼。

私の診療所に3ヶ月に一度の割合で、

メンテナンスにお越しになられるのですが、

私は石になるしかないのです。

見て見ぬふりをしなければなりません。

歯科治療の質など、

一般の方には、

皆目解らないのも

よく判るのですが。

ご自分のお身体です。

その辺りも。

 

 

開業歯科医師の日常

朝飯抜き。

昼食も診察にて抜き。

今、

午後の6時です。

今、

仕事が終わりました。

今日は水曜日ですから、

7時から教会にて、

神父さんから教えを請います。

今は、

仕事疲れにて、

頭が飽和状態に在ります。

歯科治療は体力勝負ではありません。

器具を手に、

瞬間、瞬間に、

知識の倉庫から、

今必要な手当てを

引っ張りだしの

瞬間勝負です。

見落としがあってもなりません。

眼はハンターの眼でなければ

器具を手にする資格はありません。

でも、

ありがたいですよ。

患者さんが途切れることはありませんから。

歯科医師飽和状態の昨今ですが、

私は現状、

満杯状態にあります。

それでも、

診療を依頼されれば、

紹介者の手前、

お断りはできません。

歯を喰いしばって頑張っています。

ここまでが、

昨夜、

診察が終わってから、

私が記述した処です。

今朝も根管治療からスタートしていました。

やっと一段落して、

次の根管治療の患者さんを待っています。

昨日の夕刻に、

激しい痛みにて、

根管治療を進めた患者さんです。

夜の8時にお電話くださいとお約束し、

その頃には、

痛みはすっかり消えて楽になられたとのこと。

今日、

徹底的に感染源を断つ治療を行います。

夜に、

マッサージへと行き、

ワインをグラスに一杯。

で、

一晩ぐっすりと眠り、

疲れが取れているので、

まだまだ若い?のでしょう。

今日も頑張ります。

 

たどり着いた境地

55の私には、

ささやかな夢があります。

74歳まで、

現役でバリバリ働いて、

1年間だけ、

新潟市の萬代橋の見える処で暮らす。

毎朝、

同じ喫茶店へと出向き、

毎朝、

同じメニューのモーニングを食べ、

街を散策し、

部屋へ帰って、

読書を楽しみ、

夕刻時になれば、

料理を造り、

新潟の酒を友に、

飯を食らう。

で、

眠る。

その同じ繰り返し。

1年経ったら、

天に召されて、

家族に連れ帰ってもらい、

教会にて送られる。

私のシナリオ通りの人生でありますよう。

そのために、

毎日、毎日を、

歯に向き合って、

誠実に過ごす。

私のたどり着いた境地と言いましょうか。

私は、

そのように生きたいと思います。

祈り

この季節になると、

あぁ、また、

あの日を思い出し、

心が潰れそうに、

身体が小刻みに震えるのです。

先の東北大震災です。

生涯消えない傷が、

私には残りました。

今年のあの日は日曜日です。

教会のミサにて、

多くの犠牲になられた方々の

ご冥福を心から、

お祈りしたいと。

出来る男

患者さんを通して、

多くのことがらを学びました。

私の診療所の患者さんの大半は女性です。

それでも1割程度を維持しつつ、

男性患者さんも拝見してきました。

その中で、

仕事で成功する人、

事業で転ける人、

あるルールが在ることに気がついていました。

時間に正確な人。

気の小さい繊細な人。

気配を読める人。

熱い心を持つ人。

先々を案じて動く人。

ハッタリもかませることができる人。

こういう種族の男は、

途中で様々な障害を経験しつつも、

確実に成長を遂げていらっしゃる。

ですから、

こういう人との会話は楽しいですね。

納得させられる処多しと云うことです。

ある時、

師匠である内藤正裕先生が仰いました。

三枝君、

男ってのはねぇ、

外向きでの評価が大事なんだよ!

家向きでの、

かぁちゃん、ねぇちゃんからの評価なんか、

ボロクソでも良いんだよ!

なるほど!と。

で、

続いて師匠は仰いました。

いいか!

女ってのは、

1番大切なモノは自分!

次が子供。

で、

ず~と遠い処に亭主。

わっはっは!

昨日のフラリーマンじゃあないですが、

男ってのは悲しいですよね。

ただ、

私には、

このフラリーマンってのは理解できません。

仕事を通して、

自分を研くのが男です。

昔、

インスタントコーヒーのCMに在ったじゃないですか?

違いの判る男。

それは男同士にしか判りませんよ。

父娘

県外の中学を寮生活で過ごす娘は、

学年末試験の真っ只中に在ります。

試験期間中は、

自宅から通っています。

独りでは心細いのでしょうね。

そういう処は、

私譲り。

毎朝5時起きで、

あわただしく電車に乗っての1週間です。

遅くまで机に向き合う娘を他所に、

父たる私は、

相変わらず9時には床に就くと云う

マイペースな生活です。

日中の診療の際に、

心身共に、

絶好調に持ってゆくのが

プロとしての最低限の心得であるからです。

夜中過ぎに、

気配を感じて、

眼が覚めました。

ベッドの脇に立つ娘。

どうした?

解らない処があるのか?

首を横に振る娘。

???

お化けが怖いのか?

うなずく娘。

ほら、蒲団に入れ!

暖かいか?

この家には、

ご先祖さまも、

神さまもいらっしゃるから、

護って下さってるので、

お化けなど寄り付かんよ。

そんな会話を交わしながら、

意識は、

自然と眠りの中へと。

歯科治療の功罪?

この間、

初診でお越しになった患者さんの口腔です。

ほぼ全ての歯が、

歯科治療を受けています。

月に1度は、

歯科医院へ通い、

定期的クリーニングを受けておられたとの事。

私には、

この歯科医師と歯科衛生士が

全く理解できません。

修復物は、

本来は噛む機能を回復するための手立てです。

しかし、

単に噛む道具であってはなりません。

衛生的な形を保有し、

長らく口腔内にて、

働いて貰うモノです。

まして、

修復物が口腔の健康を壊す手段になってはなりません。

この修復物によって、

健康を損なっている歯周組織の叫ぶ声が

聞こえない専門職は、

場外へと去るべきでしょう。

この女性が、

ご自身の口腔の健康に

絶対的な安心感を持って頂くために、

誠実に綴る治療を積み重ねてゆく。

コレが私の仕事です。