父娘


県外の中学を寮生活で過ごす娘は、

学年末試験の真っ只中に在ります。

試験期間中は、

自宅から通っています。

独りでは心細いのでしょうね。

そういう処は、

私譲り。

毎朝5時起きで、

あわただしく電車に乗っての1週間です。

遅くまで机に向き合う娘を他所に、

父たる私は、

相変わらず9時には床に就くと云う

マイペースな生活です。

日中の診療の際に、

心身共に、

絶好調に持ってゆくのが

プロとしての最低限の心得であるからです。

夜中過ぎに、

気配を感じて、

眼が覚めました。

ベッドの脇に立つ娘。

どうした?

解らない処があるのか?

首を横に振る娘。

???

お化けが怖いのか?

うなずく娘。

ほら、蒲団に入れ!

暖かいか?

この家には、

ご先祖さまも、

神さまもいらっしゃるから、

護って下さってるので、

お化けなど寄り付かんよ。

そんな会話を交わしながら、

意識は、

自然と眠りの中へと。