時の流れ


一段と、

寒くなりました。

吐く息も、

瞬時に凍りそうなほど。

それでも、

患者さんは決まった時刻に、

コートにマフラー姿で、

遠くから、

お越しくださいます。

私の診療所は、

その時刻、時刻においては、

ただお一人の患者さんのためにだけ

ご準備させて頂いていると云うスタイルです。

急な予約の変更は、

その時間帯がスッポリと空いてしまいます。

それを、

患者さん皆さんが、

よくご理解下さっておられるからでしょう。

ありがたいと、

感謝しつつ、

より一層、

丁寧な手当てに努めようと

毎日を心新たにと。

歯科医師過剰にて、

コンビニより多い歯科医院と言われる時代です。

そのようななか、

新しい患者さんが絶えません。

ただ、

治療の内容が大きく変わったと云う気が致します。

一昔前の歯周病への治療から、

今は、

既に大がかりな歯科の修復治療をお受けになられた後の、

再治療が全ての患者さんの来院の動機です。

昨夜、

偶然に古い専門書を読み直しました。

今時の歯科医師の先生方は、

名前を聞いてもピンとこないかもしれません。

ドクター・マッカラム、

ドクター・スタラード、

ドクター・スチュワート、

ドクター・トーマス。

アメリカン・ナソロジー?

そうピン!ときたら、

勉強熱心な先生でしょう。

私の歯科学生時代は、

アメリカンナソロジーのホットな時代でした。

その後、時代は、

ペンシルベニア大学のアムステルダム教授の提唱する

歯周補綴の時代へと。

インプラントや審美歯科の前の時代です。

アメリカンナソロジーと歯周補綴の洗礼を受けたことが

私の歯科治療の基礎となっています。

頁を捲りながら、

昔には理解できなかった記述が、

一番に納得できる事の変化に驚いて、

時間がすぎるのを忘れてしまいました。