思春期の娘


理科に対して、

変な先入観が植え込まれたのかもしれません。

中学1年の娘は、

理科のテキストの前で固まっていました。

パラパラとページを捲り、

私は唖然としたのです。

空気より重い気体の選別の項でした。

原子を覚へ、

分子の性質を理解し、

化学式さへ理解させれば、

簡単に判る筈の処を、

いきなりアンモニアとか炭酸って言われても、

これは丸暗記するしかなく、

化学反応なり実験での、

状況がイメージできないでしょう?

ここに楽しみながら理解するということから全く対極の、

相変わらずの丸暗記式勉強が

今行われいることに、

自分の勘違いかと眼を疑いました。

今だからこそ、

考えさせる教育が必要であるのにと。

母親の頑固さを引き継いだ

可愛そうなる愛しの娘は、

テーブル越しに沈黙を続け、

判らない、

判らない、

を連発するだけで、

聖母マリアさまの石像であれば、

まだ良いのですが、

浅草浅草寺前に、

両の手を大きく広げて悪を遮る二天文さながらの様相。

私はついにキレたのです。

もう勉強なんか止めちまえ!

テキストをゴミ箱の中に放り込んだのです。

娘はうつむき、

隠れキリシタンのように沈黙を続けています。

こうなれば、

男の私にはお手上げ状態です。

コチラが冷静にならねばと。

が、

どう声をかけて良いものやら、

私はサッパリ判りません。

沈黙続けてる娘に

私は一人で娘に語続けていました。

あなたを生む時に、

ママは一人で育ててゆこうと覚悟したこと。

赤ん坊であったあなたを見つめる瞳は、

マリアさまのような慈愛に満ちていたこと。

3姉妹の長女と云うこともあり、

ママがあなたには特別な期待が大きいと思い、

それはパパかれすれば、

チョッピリ酷のように思う時があること。

それでも、

あなたはママの命そのものだから、

思う処、

納得できない処も多いだろうが、

ママの愛情に応えてあげて欲しい。

そんな話しをしていました。

思春期の娘って難しいですね。