神経を採った歯の修復方法は
基本的に被せるクラウン修復を選択します。
歯を被うことで、
歯が折れるのを防止するためです。
最後方の歯の修復においては、
患者さんにご理解して頂き、
できるだけ金属にてクラウンを製作する事を
私は好んでいます。
顎の骨は大きくタワミます。
口を開けた際と噛み込んだ際には、
大きく左右幅が変わるほどタワミます。
眠っている時の歯ぎしり時の大きな負荷は
私らの常識を遥かに越えています。
金属だと、
磨り減ったり、
延びたり、
私らの誤差を補償してくれます。
セラミックは硬過ぎて、
歯が傷みます。
また、
欠けるかもしれません。
そういう訳で、
私は金属の修復を好みます。
この患者さんの治療においても、
私のルールに乗っ取って修復を行っています。
写真の奥歯3本には仮歯を被せています。
奥から4本目の歯は生きていますから、
ダイレクトボンディング修復で治療しています。
最後方の歯の修復は金属のクラウンにて。
手前の2本の修復はメタルボンドクラウンにて。
オールセラミック修復は、
奥歯の修復には、
ほぼ選択しません。
大きな負荷の掛かる奥歯には、
セラミックの裏地に圧力に強い金属で
補強するべきと考えています。
コレが、
メタルボンドクラウンの下地の金属フレームです。
後方はメタルクラウンです。
削った極を鮮明にするために、
模型を分割し、
可撤式にして、
ピタリと金属を適合させています。
私と歯科技工士との間でのコミュニケーションのために、
この症例の場合には、
金属クラウンの形態の修正箇所を
実際のクラウンに記録して、
再び、
修復物を口腔に適合させて、
噛み合わせを再記録。
で、
全体の歯型を採り直します。
コレがとても大切なステップです。
修復治療の誤差を補償しながら、
治療は進みます。
次回には、
金属フレームの上に、
セラミックが盛り上げられて、
歯科技工士から私の手元に模型が届きます。
次回のアポイントメントは、
噛み合わせと色調のチェックです。
歯の型を採って、
次には完成と云う単純な作業は危険です。
丁寧に丁寧に、
精密治療は進められます。