青春


息子の助手席ほど

恐ろしいものはありません。

彼は私の修理工としての腕前を

本当に信じているのでしょうか?

自身の手で組み立てたと云う自負は在りますが、

街なかの車道を

足がわりに使う程度にしか

考えてはいませんでした。

オールドアルファほど美しい自動車はありません。

神戸から大阪近辺に、

同種の自動車はこの1台だけになったそうです。

屋根全開に駆け走る

オールドアルファのハンドルを握る息子は

青春を満喫しているようです。

横顔を眺めながら、

引き継いだ血を感じつつ、

車体がバラバラにならぬかと、

ドアノブをシッカリと握る私です。