私には殆ど私物がありません。
泥棒もビックリするほど、
私には私物がありません。
東北大震災の直後、
かの凍った大地に立つ私の
人生観なり価値観は一転したのです。
腕時計も1つきり。
洋服にも頓着しなくなりました。
靴や雑貨の類いもそうです。
そのような中、
息子から電話が入りました。
息子が幼い頃から新潟へと出向くまでの、
あるいは社会人となった娘の幼い頃の、
今の幼い娘たちが生まれて成長するまでの、
ビデオテープを観たそうな。
父ちゃんは良い父親になろうとしてたんやな。
ポツリと息子が言いました。
私のような単細胞には
よく判りません。
ただ仕事においても、
何事においても、
一生懸命であったと。