息子の踏んだブレーキ


週末から大学の夏休みを利用して

息子が帰省していました。

今夕、発つようです。

犬たちが喜び勇んでました。

馬鹿な奴だと思っています。

いつも心配ばかりかけさせられています。

が、

息子は青春坂を

ヤッと、

登り始めたようだと、

秘かに気づいたのです。

私はオッチョコチョイで勇み足の傾向があります。

息子は気づいて、

突然、

私の意思に反して、

私に大きなブレーキを踏む行為に出たのです。

父ちゃん、

苦労して、

痩せて、

歯科だけは言い訳無要で駆け走った父ちゃんやないか!

頑張ったけどダメだったと云う言葉が

一番嫌いな父ちゃんやないか!

信念の人。

頑固な人。

1度背中に背負ったら、

絶対に下ろさなかった父ちゃんや。

俺は、自分の身を以て経験して、

今、ここに居るんやで。

黙って、

俺を信じてくれたことを

俺はアホやから今頃、気づいたんや。

高校時分の息子は大いに荒れましてね。

恥ずかしながら、

何度も涙を流して、

自分を責めました。

相手は聞く耳ありませんから。

それでも、

一方通行でしかない、

メールを片道通行覚悟で、

ズッと、

発信し続けました。

嫌われているのに、

馬鹿だと思いました。

でも、

私は信じていたのです。

私が一生懸命関わった息子ですから。

中学の時には、

自宅で殴りあいになりました。

警察呼ばれるくらいの

激しい殴りあいです。

親父ですから、

一生懸命になるのは当たり前なんです。

本人の意思に任せるなどと云う

アマッちょろい理屈で、

厳しい世間を歩いてゆけるほど甘くはありません。

家族だから、

私は手で振り払われても

耐えたんです。

また、

耐えねばならなかったんです。

親父ですから。

一緒に自宅で酒を飲むなんて思いませんでした。

突然、

息子は聖書のなかの或一節を口にしたのです。

私は、その節には届いていませんし、

読んでも記憶できないと思います。

驚きました。

シスターにその話しをしたら、

ほらっ、神さまは良い方へと導いて下さるでしょう?

真夜中、

目が覚めました。

ベッド脇の椅子に息子が座っていました。

眠る私の横でズッと居たようです。

すまなかったとは言いませんが、

息子は、

私にすまなかったと、

声なき声で言っているのは

親父ですから、

十分に伝わってきます。

この数日、

身体を大事に、

身体を大事にと。

そう言いながら、

ブレーキを踏む行為に出た時に、

あぁ、私が間違えていたと思い直したのです。