ギャンブル


ギャンブル狂の方の心境を私には理解できません。

トイレを催した際に、

眼前にパチンコ屋さんが在っても、

店内に入ることを躊躇し、

小走りで立ち去りアタフタする機会がたびたびありました。

麻雀も肌に合いません。

冒険心は大いに在るんですよ。

ただギャンブルに紳士の匂いを感じられないのです。

私にはどうも変なコダワリってのが在るんですよ。

若い時分のことです。

コンパで知り合ったOLと日を変えて待ち合わせし、

下心満々で、

鮨屋のカウンターに並んで、

ビールのツマミが届き、

この女性、

割り箸を割き、

で、

両の手で箸をとって、

木の毛羽を取る所作を始めたのです。

一気に冷めたのは云うまでもありません。

鮨を少々摘まんで、

所用ができたと嘘をついて

帰ったことを覚えています。

ハシタナイなと。

これに似たり寄ったりの感覚をギャンブルに対して

私は抱いています。

偏見です。

すみません。

何事にも、

この様な評価の物指しと云うモノを

私は持っています。

窮屈なんですが、これはどうにもなりません。

ただ、ギャンブルを好む方は瞬時の勝負処ってのが

快感なのかもしれません。

私の仕事においても、

瞬時の勝負処と云う瞬間が在ると、

正直に申し上げておきたいと思います。

真の値を点と仮定したら、

点の向こう先、点の手前と云う誤差が在りますでしょう?

点の寸差手前から、

心持ち手先を進めるべきか、

此処で留まるべきか、

そんな判断を迫られる機会がたびたび在るんですよ。

考える前に勝手に手が先に動く時も在りますし、

考えて、決めて、息を止めてエィ!と。

そんな毎日の繰り返しですから、

わざわざギャンブルなどでスリルを味わおう等とは思いません。

今日の手術は、

瞬間の判断で、

抜歯か残せるかの結果が決まると云う

責任重いモノでした。

残せて良かったです。

私の仕事を、

私は他人には勧めません。