マイクロサージェリーの意義


昨日に続いて、今日も手術を2症例程を予定しています。

1症例はマイクロ.サージェリーと呼ばれる顕微鏡を使った細かな手術です。

根の先に大きな膿の袋があり、このままでは抜歯の適応となります。

加えてこの歯にはメタルボンドクラウンの治癒が既に為されておるために、

根の中の殺菌.消毒を行うには、このメタルボンドクラウンを壊して外すことが必要です。

そこで、現状のメタルボンドクラウンをそのままに、

その歯の根の先に相当する部分に切開を加えて、

根の先の大きな膿の袋を取り除いて、周囲の骨を綺麗に手当てして、

歯の方は、根の先から逆に手当てする積もりです。

根の先に開いた孔は、とてもとても小さなモノです。

当然のことながら、肉眼下での治癒は出来ません。

ここに歯科における顕微鏡を使ったマイクロサージェリーの出番があります。

この患者さんは、ご自身の歯はそのままの状態に保って、根の先の病気が治り、

再び健康な生活に戻れます。

このような処置に際して私は、完全に無我の境地に入っています。

日常の様々な感情も、思考もすべて何処かへと消え去り、、

ただただ、視界の世界へと没頭します。

手術後の虚脱感は大きく、しばらくは煙草をくわえて、椅子に座り込んでしまいます。

で、また次の患者さんがお越しになられたら、気持ちも頭の中も完全に切り替えて

次の症例に没頭します。

そのような1日のリズムのなかで、自分の自分らしさを形成し、

月日を重ねていくのが医療人の過ごし方だと思っています。

仕事に没頭するしか能のない私だから、仕方ないこととも言えましょう。