私の願い


いつもは仕事に追われて、スタッフの宮田君とゆっくりと話をする機会がありません。

患者さんに向かい合って座り、歯石を取っている姿勢を観れば、その歯科衛生士の技量は直ぐに判ります。
宮田君は、確実に上手な歯科衛生士になっているのが判りますから、
私としても無駄なことは云う必要も無しと思っていました。

昨日は、在ることがきっかけとなり、宮田君と久しぶりに雑談する事となりました。

先日、他所で受けたセラミックの治療の具合が悪くて転院されて来られた患者さんに対して、
私としては、難しい症例ではなかったので、
その日のうちにダイレクト.ボンディング法で歯の治療を完了させました。

翌日、宮田君は此の患者さんへお電話をかけて、噛み心地や、痛み、違和感などご不安なことはないだろうか?とお尋ねしたようです。

私のこの様な自然の行いを、大変嬉しく思います。

ナイチンゲールの心を持って患者さんへ、向かい合って欲しいとの私の願いは、
宮田君に伝わっていることが判ります。

私は技術屋ですから、もっと上へ上へと技術の向上を願ってはいますが、
それよりももっと、もっと、患者さんに喜んで貰いたいと思っています。

縁があって歯科医になりました。

歯科医の使命とは、快適な咀嚼機能が営めるように、そして豊かな口許を創造することだと私は考えています。

あとは、人と人との関わりあいです。

私は患者さんとの関わりを、治療して、それで終わりと云う単純なモノにしたくはありません。

治療は、絶対的な安定感をもって臨み、人としては包み込む空気のような心でと、最近は心がけるようになりました。

何時まで現役生活を送れるのかは判りませんが、常に患者さんと寄り添える心で診察していたいと願っています。