ダイレクト.ボンディング法 その2.


ダイレクト.ボンディング法は、所謂コンポジット.レジン修復です。

この方法は古くからある方法で、1955年頃から積極的に歯科の現場で使われるようになりました。

歯と修復材であるコンポジット.レジンの接着剤の開発.研究も進化して、加えてコンポジット.レジン本体の強さや色調も
昔のものと比較すると格別よくなりました。

私はこの方法を好んで治療に使っています。

他の歯形を採る方法で造った人工歯は、セメントで歯とくっつけなければなりません。
このセメントは、今では随分と良いモノも見かけますが、永年、唾液に曝されることで劣化します。
また、吸水性もあるので、唾液の中の細菌の侵入を許すかもしれません。
この様な方法で治療する際には、修復物と削った歯の境目は限りなくピッタリ造る必要があり、
そこでマイクロスコープの出番となるのです!

コンポジット.レジンによるダイレクト.ボンディング法は、このセメントを使うことなく、材料を直接、歯とくっつけるので、
極めて虫歯に強い治療方法と言えます。

但し、接着の効果は、乾燥した環境でなければ半減します。
ですから、治療はラバーダム防湿の環境下で行う必要があります。
唾液は勿論のこと、吐く息の中の湿気でも、接着の効果は減少します。

またこの方法は、お口の中で直接、歯科医が歯の形を造る必要があります。
器用な手、不器用な手が、顕著に顕れます。

虫歯の部分のみ削り、最小限の切除で、その日のうちに綺麗で丈夫な治療が出来るコンポジット.レジンによるダイレクト.ボンディング法は理想的な虫歯の治療方法と言えるでしょう!