しみじみと


新潟での私の住まいは、信濃川に架かる萬代橋のすぐ袂にあります。

毎日、この橋の姿を仰ぎ、川からの風を全身に受けながらの散歩が、私の楽しみであります。

散歩の途中の本町人情横丁にある石山魚屋から、この季節になると、私は鮭を取り寄せます。

昨日、高松市の自宅に届いたる鮭を観て、冬がやって来たのだと感じました。

毎年の事であるので、魚屋の親父さんは綺麗に切り身に処理して、小分けで真空パックに入れてくれてます。

先日、岡先生から頂いたホカホカのご飯を、この新潟の村上市の三面川を登ってきた鮭で、
三杯もペロリと平らげてしまいました。

人の幸せと云うモノは、こういう時に在るものだとしみじみ実感しつつ、
鮭の頭をぶつ切りの大根と濃い口醤油と酒で煮込みながら、
明日の夜は久保田の封を開けようと、良い気持ちで床に就いたのです。