私は、サエグサ ヒサトと言います。
ミツエダでもサンシでもありません。
ナオトでもありません。
文枝師匠が、三枝と名のっていたときに、
師匠に由来して、サンシ、サンシと言われた若い時分には、秘かに傷ついたものでした。
あの【いらっしゃい!】のイメージが強烈過ぎて!
商家を営んでいた私の実家は、私が産まれた時には相当、シンドかった様です。
で、先々代が【お金に縁があるように】と念じて、
初代日銀総裁の一万田尚登から、名前を頂戴したとのこと。
このような安直な考えからの名前故に、
刷っては放出するだけで、預金を預からない日本銀行です。
出ていくイッポウで、決して留まることの無いのは、名前の由来の精でしょう。
もう人生も後半にまで十分に達した私ですが、
日々、仏壇を前に読経しながら、
もっと知恵を搾れなかったのかと、怨めしく思っています。
そう言えば、先の東北大震災に際して、
私が東北から帰宅するのを待ってから、あの世へと旅立った21年もの長生きした拾いネコのニャン太をふと、思い出しました。
拾った時に、雄かと勘違いし、余りにもニャン、ニャン喧しく鳴くので、ニャン太と名付けたら、実際にはメスでありました。
其れに気づいた時には、他の名前に改名出来ないくらいに本人が名前に馴染んで、
結局は最後までニャン太で行ってしまいました。
嗚呼、これも血の為せる技かもしれません。