私の 診療所を 新築した際に
当たり前ですが、
院内技工室を 設けて いました。
それまでの 私の歯科診療は、
院内技工士の 居ない 歯科治療は
考えられなかった からです。
と 云っても、
最終修復物は
石三技工士に 委託して いました。
最終的に 患者さんの口腔内に 装着する 大切な歯。
これは、
院内技工士さんには 申し訳ないのですが、
スーパーテクニシャンによる 巧みの技の 歯でなければ なりません。
その辺りの 割りきり。
私は とても シビアですし、
院内技工士の立場から 云えば 血も涙もない 冷血漢かも しれません。
でも それが プロなんです。
では、
院内技工士の 役割とは?
歯科医師 以外の 歯科技工士の視線から
私の 歯科診療を 二重に チェックするため でした。
それでも、
院内技工室の 設備は 一流品で 揃えて いました。
一般の方は ご存知ないでしょうが、
技工机は ドイツの カボ社製のモノが 2つ。
これだけでも BMW は 購入できるでしょう。
マイクロスコープも 完備。
それにも かかわらず
診療所が 新築完成した時点で、
私は 三枝デンタルオフィスから 院内技工士を 外したのです。
なぜなら、
人材不足 だからです。
良い設備と 環境が 整っても
本人に 学ぶ 気持ちと 上昇志向が なければ
私にとっては 足手まとい なのです。
私の診療所から 6人の 歯科技工士が 卒業してゆきました。
現在でも、
転院して お越しになられた患者さんの 口腔を通じて
彼らの 仕事が 瞬時に 判ります。
なぜなら
職人という 生き物は その癖の 痕跡を 遺すからです。
私が 彼らに 仕事を委託する機会は 皆無です。
そのような 代物では ない からです。
私の 歯科技工士は 石三技工士のみ です。
先般 ご報告したように
石三技工士の ご子息を お預かり しました。
15ぶりに 無人だった 院内技工室が 稼働し 始めました。
石三技工士の 後継者であるから お引き受けしたのです。
父上の 良い遺伝子を 引き継いで いるように 感じます。
でも、
笑っちゃい ますよ!
私は 帰宅したら 庭うちでは 雪駄を 履いています。
今朝、
彼が 診療所の建物と 前の道路とを
ホースで 水をかけて
デッキブラシで ゴシゴシ 擦って 掃除しています。
その 足元。
たか下駄 だったのです。
私は 反社会的勢力の存在は 認めません。
が、
任侠道は 重んじます。
彼は 徐々に 本当の 職人に 育っているようです。