消化デキない処置


学生時代の・夏休みなどは、

婦人科を開業する叔父の医院を・基地として、

遊び呆けて・過ごしていました。

院長室にて、

葉巻の煙の向こう側に、

叔父の・なんとも言えない・淋しそうな表情を

観る機会が・幾度となく・ありました。

そんな時、

私も・理解デキていました。

あぁ・人工中絶を・終えたのだと。

人の命を救う筈の医者が、

人の命を奪う処置を、

叔父は・当時でも・消化したくないと、

口にしていましたから。

先ほど、

根管治療を実施しつつ、

やはり、

パーフォレーションが・ありました。

前医は・気づいていた筈です。

巧妙に・隠蔽処置が・施されて・いましたから。

しかし、

直系2ミリほどの、

髄床底近くのパーフォレーションです。

保存する事はデキません。

抜歯に・切り替えたのです。

こういう際の、

患者さんへの説明、

そして、

歯を抜く・と云う処置への、

歯医者としての・敗北感は、

いつまで経っても、

消化デキません。

叔父を思い出しました。