日別アーカイブ: 2019年3月5日

私も父ナンです

仕事の最中、

期末試験期間中の娘が、

診療所へと帰ってきました。

私の顔を見るなり、

パパ、歴史は完璧っ!

満面笑みの娘に、

ホッと、

胸をなで下ろす私です。

よしっ、

今日はフレミングの法則の復習するか!

 

金属修復

活きた歯の修復治療には、

ダイレクト・ボンディング修復治療を

第1の選択としています。

しかし、

素材の特性から、

あまりにも大きな噛む力が掛かる症例には、

不適応となります。

素材が割れるからです。

この患者さんの虫歯治療には、

ゴールド修復治療を選択しました。

修復歯の前方隣の歯は、

インプラント治療です。

著名な歯科医師が治療しています。

インプラントの修復には、

メタル・ボンド・クラウン修復がなされています。

セラミックは磨り減り、

内部の金属が露出しています。

インプラント周囲の骨も、

インプラントの全長の3分の1程度、

溶けています。

20年経過のインプラント治療です。

私は、この歯科医師の優れた技術を知っています。

この歯科医師のインプラント治療に対する配慮に

敬意を払っています。

ですから、

治療を引き継ぎ、

インプラント周囲の骨レベルの維持に努めてきました。

で、

今回の第1大臼歯の虫歯治療。

私の好きなダイレクト・ボンディング修復は控えて、

あえて、

ゴールド修復の持ち味を活かしたのです。

歯を削ったデザインです。

歯科保存学の父であるブラック博士のデザイン条件に則りました。

ゴールド修復です。

今日、

修復物を歯に装着しました。

次回、

修復物と歯の間の擦り合わせ作業です。

今、教育を受ける学生諸君には、

古典的治療かもしれません。

が、

古典的治療にこそ、

王道があるんですよ。

根管治療専門

歯科医師のホームページを閲覧すると、

マイクロスコープ、

インプラント、

根管治療、

神経を採らないクスリで治す治療、

噛み合わせ治療、

などなど。

何が専門だかサッパリ判りませんね。

で、

トドメが○○治療専門医なんだそうな

根管治療専門医って、

よく目にします。

根管治療を守備範囲とする

歯科保存学の大学院博士課程を修了した私ですが、

恐れ多くて、

根管治療専門医などと、

大それた台詞を言えません。

インプラント治療においても、

若い時分に、

多くの縁を頂いて、

その分野で沢山の雑巾がけして

今日に至っています。

私はインプラント治療のエキスパートである自負を持っています。

でも、

インプラント至上主義者ではありません。

ブリッジも入れ歯も、

同等の大切な治療手法だと考えています。

ですから、

私は総合診療科の歯科医師だと思っています。

ただ、

根管治療専門医を名のるからには、

少なくとも、

大学院博士課程で歯科保存学を専攻した実績くらいは

最低条件だと考えています。

 

根管治療

初めて、

私の診療所で、

根管治療を受けた患者さんから、

言われる台詞。

今まで、

このような治療を受けたことは・ありません。

で、

私が必ずと言って良いほど、

患者さんにお見せするモノ。

昭和56年・日本歯科大学入学の私の

根管治療の教科書です。

表装も頁もボロボロになり、

行間イッパイに書き込みしています。

他人にはおもしろ・可笑しく、

学生時代の悪さを吹聴します。

イッパイ遊びました。

でも、

今だから申し上げられるのですが、

イッパイ勉強も・しました。

だって私は、

良い歯医者になりたかったですから。

で、

教科書の頁を開いて、

初っぱな・お見せするのです。

根管の解剖学的な形態の複雑さと、

無菌的治療のラバーダム防湿です。

私の根管治療は、

基礎の基礎だと思っています。

治療しながら、

この根管はっ?

勘が働いた際に、

アレコレ仕掛けする。

その繰り返しです。

根管ほど・複雑な形と空間を知りません。

ですから、

ベストは尽くします。

それでも、

まだまだ安心できないのです。

 

想像力

小学生みたいに、

9時には床に就く習慣の私が、

期末試験期間中の娘に付き合って、

テーブルに並んで。

気がつけば0時を回っていました。

パパは仕事があるから先にと。

すると、

娘が私の床に入ってきました。

中学2年の娘が、

一緒に寝てくれると云う思いがけない行動に、

私の心は、

外気とは異なり、

暖かくなりました。

帰宅すると娘から、

パパ、明治維新がよく判らない!

教えて!と。

歴史が判らないって?

教科書を開いて、

コレはツマラナイ!

娘に言いました。

歴史上の人物、風景を

今に生きる人は誰も直接は知らないんだよ。

だったら?

ソレは、

想像力をたくましく。

自分の身を、

その時代に置き換えてみてご覧。

ソレと、歴史は川の流れのようなモノ。

必ず、

上流から下流へ、

そして海に広がってゆくモンだ。

明治維新は、

日本人が日本人たる自覚に目覚めた

大きな日本の転換期。

ダイナミックでドラマチックな躍動の時代です。

浪花節を唸るように、

活躍する人々を

面白おかしく。

その後、

テキストを解く娘は、

安堵したのでしょう。

普段、

歯学部に学ぶ学生諸君に対して、

私の好きな歯科医学を

ナンとか好きになって貰おうと、

コレからの時代を引き継ぐ後進たちに、

歯科医学こそ天職と感じて貰おうと、

私なりに工夫してきました。

そのような今の置かれた境遇が、

少しばかり役にたったのかもしれませんね。