日別アーカイブ: 2018年6月4日

メタルフリーの治療?

治療が終了して10年は経過している症例です。

上の奥歯の治療は、

金属クラウンにて。

メタルフリーの治療が流行っている昨今ですが、

私は金属のクラウンが好きです。

この症例からも判るように、

金属が対合する歯にて、

大きく摩耗しています。

セラミックにて治療したならば、

割れるか?

歯の根に大きな負荷が架かるでしょう。

睡眠時の噛み締める大きな力は、

私らにはコントロールできません。

この患者さんには、

睡眠時のマウスピースは使えません。

ソレは、

顎の関節の形からの、

私の診断基準から。

マウスピースの使用により、

関節円板と云う組織が、

前方に落ち込んでしまうからです。

この辺りは、

日本歯科大学の小出馨教授の研究報告から。

なんでもかんでもマウスピースと云うのは、

大きな間違いが生じます。

と云う訳で、

睡眠時のマウスピースを使えない、

このような患者さんの治療に対しては、

金属のクラウンが最適だと。

セラミッククラウンでも、

天然歯でも、

コンポジットレジン修復治療でも、

対合歯への影響は同じことは、

この症例からも明らかです。

この患者さんの第1大臼歯はセラミッククラウン。

第2小臼歯の修復はダイレクトボンディング修復。

第2大臼歯の修復はコンポジットレジン充填。

にもかかわらず、

金属のクラウンには同じような挙動が。

歯を長期に残すこと、

【考える治療】の大切さを、

重々、認識させられます。