日別アーカイブ: 2018年6月27日

本当の話

本当にあった話し。

誠実で律儀を絵に書いたような方がいます。

心も優しく、

今どき珍しい良妻賢母を絵に書いたような方。

でも、

ご自身にも厳しい方。

健康意識も高く、

自己管理も常識的に習慣化されておられる

私にとっては大切な患者さんですし、

この方を心から尊敬しています。

でも、

〇〇さん、私は貴方の妹君とご母堂さまの治療は出来ません。

当の私がハッキリ明言したモノですから、

〇〇さんは驚いておられました。

治療は患者さんとの関わり合いから始まります。

医師は患者さんの僕、召使いではありません。

病気を治したいという気持ちを、

医師に押しつけることで病気が治ると思いたいのは山々ですが、

大間違い。

民間療法の効果についても、

私はどうのこうの云う積もりはありませんが、

私の治療との併用は断固お断りしています。

また、

ご自身の自己診断と私の診断が違うや否や、

サッサと通院を中止。

歯医者が余ってるからナンでしょうね。

今日日、

何処の歯医者に行っても、

患者さまさま。

そんで、

自費治療を進めらレますからね。

セラミッククラウンで、

安くて5万、

平均で10万近くでしょうか?

インプラントで、

安い所は徹底的に安いですよ。

でもね、

三枝先生所は高額だからと言われても、

私は治してますんで。

私からすれば、

5万や10万払って、

壊して貰ってるんかい!

そんな気持ちで、

安物歯医者を見てますがね。

ここが東京なら、

こんな気持ちにもならないでしょうが。

私は歯科医学には命を賭けていますが、

1部の立派な歯科医師以外の、

大多数の歯科医師は大嫌いです。

そのくらい、

歯科医師から嫌な想いさせられた事が原因だと思います。

でもね、

治療を受ける側の患者さんも、

よくよく考える時が来たと思いますよ。

専門家って者は、

媚びないモンなんです。

修復歯の形態

以前にも御覧頂いた記憶があります。

治療が終了して、

10何年かは経過した症例です。

修復歯を、

セラミックで造ろうが、

金属で造ろうが、

それは、

治療の長持ち度合いとは全く関係ありません。

これが、

私の修復歯の基本的形態です。

写真は別の患者さんの口腔内です。

ほとんどの歯の神経を取る治療を受けられておられました。

クラウンの精度も不良にて、

削った部分とクラウンの境目に大きなギャップがあります。

そこから虫歯菌の侵入口になっています。

クラウンの内部では、

広範囲に虫歯は進行しているでしょう。

クラウンを外すと、

歯が折れる可能性も多々ある根管治療の痕跡が、

レントゲン写真からも容易に想像できます。

患者さんに対しては、

お子さんの教育過程という事情もあり、

( 私も、子育ては無償の愛情からの浪費の極地 )

なんとか歯周病だけは爆発させないようにと、

必死で歯磨きして下さいと、

ブラッシングテクニックをマスターして頂きつつ、

経過観察をしていたのです。

誠実、真面目な方であり、

患者さんがすべき事を

キチンと習慣化されておられる事が伝わります。

が、

先般のメンテナンスの際に、

口腔のある部分からの異臭に気づいたのです。

精密に観察すると、

クラウンの裏側に深い孔が空いていることが、

器具がクラウンの脇からグングンと

沈んでゆくので、

これはクラウンの中は相当に

虫歯でヤラレテるな!

で、

患者さんの許可を頂き、

クラウンを外したのです。

それが上の写真です。

前後の修復歯の形を、

私の修復歯と比較して下さい。

歯の山や谷のような凹んだ部分など無く、

とってつけたような溝しかありませんね。

しかも全部の歯は、

神経を取られて死んだ歯です。

いつ折れるか予想出来ませんし、

多くの歯の治療を、

私も子育て中の親です。

経済的な事を配慮し、

お勧めすることが出来ませんでした。

歯の内側の虫歯を完全に除去することは可能です。

が、

残った歯質の薄さが、

大きな噛む力には、

とてもじゃないですが、

耐えられる筈はありません。

これは抜歯の症例です。

誤魔化し、誤魔化し、

なんとかクラウンを造ることは可能です。

が、

必ず、

その際には、

隣の歯も巻き込んで、

即ち、

大きな骨の吸収を伴って、

ドミノ倒しのような惨状に至るでしょう。

私のこの症例に対する仕事は、

ここまでです。

後は患者さん自身に選択して頂く必要があります。

私は、

この様な結末に絶対に至りたくありません。

だから、

1つ1つの手当てを、

とても大切にと。

歯科治療というのは、

白桃を触るような気持ちで、

若い歯科医師の先生方に、

口酸っぱく、

伝えているのですが。

 

ファンダメンタル.インプラント・プレイスメント

29年、

インプラント治療に携わってきました。

私の半生は、

インプラント治療の進化の歴史と言っても

過言ないでしょう。

様々な手術方法が紹介されています。

患者さんの側からすれば、

どの治療方法がベストな方法か判断不能で、

それこそ、

賭けか博打のようなモノかもしれません。

私ですか?

経験を重ねる度に、

より安全な、

よりコントロールし易い、

結果、

開発者であるブローネマルク博士の結論の通りの、

最も基本的な治療方法へと還ってゆきました。

ただ、

インプラントのフィクスチャーの選択は、

患者さんの全身的な内的傾向を内科的な見地から考へ、

多くのフィクスチャーから、

患者さんの骨に最適なモノを選択しています。

それでも、

インプラントのプレイスメントのためのエンジンは、

歴史モノとも言えるブローネマルクインプラントの初期のモノを。

歴戦錬磨を私の掌の中で、

掻い潜ってってきた戦友です。

同機種を予備に3台保有しています。

エンジンには癖があります。

最新のエンジンを私は信用していません。

シュナイパーであるゴルゴ13の愛用の銃が

ズッと変わらないのと同じです。

症例によっては、

エンジンの微調整を自分の手で行います。

この辺りに、

私はプロフェッショナルの大きな意義を感じています。

百戦錬磨の老獪なる技を、

若手の歯科医師の中には

アレッ!

と、気づいてくれる機会を時たま経験します。

そんな時、

頬が緩んでいる自分がいます。

とにかく、

原点回帰が、

今の歯科治療全般に求められる

大切な姿勢だと思います。