日別アーカイブ: 2018年1月12日

雪国から得た心

新潟市は猛吹雪に見舞われているようです。

日本歯科大学の新潟校も1972年の開校以来、

初めての休講を余儀なくされる程の大雪だそうな。

高松市に暮らす私どもにとっても、

冬の寒さは堪えます。

しかし、

雪国の冬は全く別の次元に在ります。

私の青春期を過ごした新潟は、

地元出身である田中角栄元首相による

キングパワーにより、

やっとインフラ整備が整いつつある時代でした。

普通のご家庭では、

1年の半分は、

お父さんは東京などの大都市へと

生活の糧を得るために出稼ぎへと余儀なくされ、

家に居ないのが普通だったのです。

批判も多い田中角栄元首相ですが、

新潟県人が親しみを込めて

元首相を語るには、

今日、新潟県が発展し、

太平洋側に暮らす人々と遜色ない環境を造られたからです。

今では粗大ゴミ化されつつあるお父さんです。

でも、

お父さんが居ないご家庭って云う状況を

再考して頂きたい位に、

当時の新潟は貧しかったのです。

それにしても、

越後の冬は厳しいのです。

雪が舞うなどと云う情緒は、

此処にはありません。

日本海からの猛吹雪の圧倒的な風圧に

道行く人々は、

一歩、一歩を、

雪に沈む足を引き抜きながら

前に進むにも、

風圧に突き進むのです。

車にも直ぐには乗れません。

雪に埋もれた雪を掻き分けて、

凍ったドアを開けねばなりません。

道の脇には、

除雪車によって掻き分けられた雪の高い壁。

車道の幅は

雪の壁のために通常の半分になり、

路面も、また雪。

これが雪国の冬です。

が、

春は必ず訪れます。

その春を待って、

冬を過ごすのです。

人生のおいても、

冬の期間は必ず在ります。

私の半生においても、

長い冬の時代がありました。

でも、

春が必ず来ると信じて、

頭を下げて、

ひたむきに丁寧に過ごしてきました。

駄目な時は、

何をヤっても駄目なんだ!

そんな考えは大きな誤りです。

季節においての春は、

必ずやって来ます。

が、

人生における春は、

待ってても来るかどうか判りません。

春の訪れを仕向けるように、

私たち自身の大きな努力が必要だと思います。

私においては、

それが、

毎日の診療をより丁寧に手当てする。

書物から知恵の糧を求める。

手先の鍛練を怠らない。

天に感謝して祈り過ごす。

決して諦めない。

その積み重ねであったように思います。

受験の季節です。

受験生の方々は、

それはそれは不安な日々を過ごしているでしょう。

しかし、

受験には科目と範囲が在ります。

対して、

人生には、

科目も範囲もありません。

ですから、

苦しむ必要はありません。

もっと、もっと、

大きな波、

大きな壁に、

前を阻まれる機会も数々、

経験するでしょう。

人生は、

勝ち負けの繰り返しです。

一生懸命、

丁寧に生きて下さい。