日別アーカイブ: 2018年1月5日

原点に還る

若い時分に、

師匠である内藤先生が、

ご自身の診療所へ、

ロバート.リー先生をお呼びした機会が在りました。

開発者であるリー先生自ら、

パナデント咬合器の

メカニズムと考え方、

そして、

実際の使用方法と診断を

学ぶためでした。

師匠のご厚意にて、

私は師匠の背中に隠れるようにして、

当時の咬合学の巨星が

大げさなゼスチャーで、

師匠に語るのに夢中だったのを

今でも鮮明に覚えています。

パナデント咬合器システムを購入するには

当時の私には大きな勇気が必要でした。

一応、開業医ではありましたが、

借金の返済やテナント代、

それと、

アチコチへと勉強に出向くための交通費、

講習会費用の大きさは、

患者さんには想像できない位に

莫大なモノだったからです。

普通の会社員の方の経済状況の方が

絶対に裕福だったと断言できますよ。

当時の私は、

喉が乾くほどに、

歯科医学の吸収に必死だったと

振り返って、

そう感じています。

このパナデント咬合器と供に

四半世紀の診療生活を送っています。

歯科治療においては、

多くの【物指し】を持たねばなりません。

保存学的な物指し。

補綴学的な物指し。

外科的な物指しなどなど。

新しい治療方法や治療素材を評価する際には、

この【物指し】の精度が大切になります。

私の診療所は、

本当に歯で困った方がお越しになられます。

これからも、

私の自分の物指しの精度を磨かねばなりません。

それが医師の務めだからです。