カテゴリー別アーカイブ: ただの日記

セラミッククラウンのもと

オールセラミッククラウンでも、

メタルボンドクラウンでも、

大切な【もと】が在ります。

それは【形】です。

この写真は、

私の診療所では普通に患者さんに使う

【仮の歯】を造る1過程です。

この手順は、

セラミッククラウンなどの【本歯】を造る際の手順と

全く同じです。

仮の歯であっても、

【形】は、

本歯への大切な情報の根拠であるからです。

蝋を盛り上げて、

彫刻し、

イメージと、

機能、

審美に沿った【形】を

丁寧に造り上げてゆくのです。

この操作をワックスアップと言います。

私はこの操作を

とても大切にしています。

ミサで歌う

私は生涯に1度も

カラオケ屋さんへ入ったことはありません。

それは音痴だからです。

若い時分には苦労しました。

先輩、上司からの指名から逃れ、

あるいは、

会合での雰囲気などを決して壊さぬように、

決して自分の喉を披露するまい!

逃げて、

逃げて、

逃げきる苦労で必死でした

ただ、

唯一稀なる機会は、

気分が大いに満足感に満ちた際、

独りで湯船に浸かっての

浪花節と都々逸、演歌のみ。

そんな私が、

ミサの際には、

大いに気分も調子良く、

読めない楽譜を開いて、

歌詞だけ目で追いつつ、

耳だけを頼りに、

声高らかに。

特に、

天のいと高き処に神の栄光、

で始まる栄光の讃歌と云う名の聖歌が

私は好きで、

大いに気分が満たされるのです。

小学時代の音楽の歌唱のテストの際に、

歌の出だしで、

三枝、もうよい!

オルガンを弾く教師からの評価が

私の歌う事への恐怖の引き金になりました。

ですから、

大勢の方と一緒に歌う自分が

可笑しくてなりません。

 

 

造ると創るを

昨日のミサは、

私にとってはとても良いミサでした。

朝刊がポストに入れられた音とともに、

玄関戸を開け、

で、

朝刊を開きつつ捲り、

眠気が一瞬で消え去ったのです。

【荷風 晩年苦心の跡】

とタイトル付けされた記事と、

氏の遺した大学ノートが2冊、

都内の古書店にて見つかったとの記事です。

私の高校時代は氏の著作と共に在りました。

今でも思い出したように、

氏の著作を開きます。

美しい文章に触れたい気持ちが

沸き起こった際にです。

私にとっての永井荷風氏は

文章を巧みに操る文使いの名人です。

また、

心模様の味深い、

情緒と彩の天才だと、

嗜好や時々の感情を越えた処にある

【優れ人】としての憧れの人でも在りました。

このノートは、

私の仕事における苦悩の軌跡とも

重なって見えたのです。

私の仕事は結果勝負です。

寸分のミスも許されません。

ですから、

考えて、

考えて、

悩みに悩んで、

診断なり治療計画をたて、

治療においても、

正確仕事に徹するために、

自分を全部、

指先に封じ込んで、

手当てしています。

私の仕事の域は到底に

氏の著作に及びません。

しかし、

造ると創るを一体化させる際には

苦しむものだと、

半ば安心したのです。

ダイレクトボンディング修復

小臼歯は大阪にてインプラント修復なされた患者さんです。

セラミックの歯の噛み合わせ面に

対合歯との接触により、

セラミックがポイント状に深く磨耗しています。

その奥の歯は、

私がダイレクトボンディング修復したモノです。

この患者さんの治療を受け持って

まだ半年程度です。

まだまだ私はこの患者さんの【あや】を

完全に把握していません。

メンテナンスの過程で、

その個性を掴んで行こうと思っています。

ただ、

何かイヤな匂いが?

食い縛りの【け】が

イヤな匂いの原因です。

出来るだけ、

エナメル質と同じ挙動をする素材で

修復治療はと、

そう思ったのです。

この頃、

総入れ歯ばかりご紹介したようです。

今日はダイレクトボンディング修復を。

私の総入れ歯治療

総入れ歯を新調されてから

8年経過の患者さんがメンテナンスに

お越しになられていました。

コレが私の造る総入れ歯です。

ピタリと粘膜に吸着するのは

新調した際と変わりません。

メンテナンスで何を診るの?

奥歯の噛み合わせ面をわざわざ金属加工しています。

研磨のあと、

マイクロ粒子のガラスビーズを吹き付け、

噛み合わせ面を曇らせます。

噛んで当たっている部分が光るのです。

メンテナンスでは、

私が当たって欲しい処以外に

光る部分が在るか?ないか?

それを確認しています。

噛み合わせが安定していれば、

入れ歯の下の粘膜や骨は痩せません。

商売道具

上の顎の全体に、

インプラントを入れた患者さんの、

アバットメントを連結する治療をしていました。

今日はヤケに、

重圧下の治療が多いのに、

今、

精神が高まりの極地に至っています。

眼がかすみます。

頭皮が張りつめています。

掌に痛みを感じます。

二の腕と肩に痛みが走ります。

私が早寝する訳は、

こういう事です。

身体が商売道具です。

心も商売道具です。

気持ちも商売道具です。

勘働きも商売道具です。

十分な睡眠をとらなければ、

モチませんもの。

仕事あとに、

街へ出向く気にもならない訳は、

帰宅する駐車場まで出向くことも

億劫になるほどに疲労しているからです。

頭脳と勘と心と身体全体を使ってする仕事です。

身体を与る仕事とは、

そういうモノだと

私は重く考えていますから。

仕事姿

今日の診療に、

若い歯科技工士さんが立ち会っていました。

インプラント修復の際の、

私流の

噛み合わせ採りの実際を

お見せするためでした。

インプラントの歯型と噛み合わせを一緒に採る!

歯が全て失った症例の

これが秘訣です。

仮の総入れ歯のコピーが

歯型を採る際の器になります。

噛み合わせんの高さも、

前後の顎の位置関係も、

左右の顎の位置関係も、

すでに仮の総入れ歯で出来上がっています。

コレを頂かないのは

とんまかマヌケでは?

手を動かしながら、

歯科を裏から支える若者に、

1つ1つの作業に心を込めてね。

ある修道女の方が

先輩から注意された時のエピソードを織り混ぜて。

食事の配膳係を申し付けられたシスターは、

何も考えずに、

ただひたすら多くのお皿を

テーブルに並べていたそうな。

で、

先輩シスターから注意を受けるのです。

心の中で、

お祈りしながらやり直しなさい!

私は神さまではないから、

必ず、

絶対に、

ミスる!

だからこそ、

1つ1つの手当てを丁寧に綴るんです。

その積み重ねが、

観る人の心を掴むのですよ。

そう思いながら、過ごしています。

最初は緊張されていた若者も、

アレコレと、

質問して下さいました。

丁寧仕事の中で、

ザクッと、

大きく手を大胆に動かせる局面も在ります。

コレができませんと、

イケませんね!

ヤる時はバサッとね。

そんな話をしながら、

綺麗に採れた歯型を

大切なモノを見つめるような

若者を私は見つめていました。

人工物に命を込める。

コレが私の仕事姿ですから。

私の総入れ歯治療

先般このブログにてご紹介させて頂いている

私の総入れ歯治療の大切なポイントに

さしかかって来ました。

下顎の位置が、

不具合な修復治療によって、

本来シッカリと噛める位置から

変位して居られる方が多く見うけられます。

粘膜にピタリと吸い付く入れ歯をお造りして差し上げれば、

人の身体の不思議。

下顎は、

心地良い位置へと帰りたがるのです。

速く家に帰りたい!

ピタリと吸い付く入れ歯は、

居心地良い家庭のようなモノかもしれません。

下顎が速く落ち着けるように、

邪魔な処を調整します。

これは大変重要なポイントです。

前回の私の総入れ歯治療について記載した時に、

下顎が動いた量を推し量ることが出来ます。

で、

下顎の位置も落ち着いてきたようです。

ここで2回目の、

仮の総入れ歯をお造りさせて頂きます。

1回目の仮の総入れ歯での、

修正も兼ねています。

上の歯並びの傾きや、

前歯の観え方、

前歯と唇の関係など、

また、

微笑んでの印象なども、

ここで修正を加えます。

もの造りにゴールはありません。

この仮の総入れ歯から、

修正箇所をじっくりと、

患者に使って頂きながら、

最終の本総入れ歯造りに入ってゆきます。

入れ歯を入れたら、

歯茎が痩せる。

骨も痩せる。

何年かに1度は造り直し。

これは正しくありません。

私の総入れ歯を、

長い間、お使い頂いています。

20年以上などザラです。

総入れ歯は私の子どものようなモノです。

患者さんも大切に使って下さっています。

いかがでしょうか?

最初とは変わったことを

ブログをさかのぼってご覧下さい。

横からも、

どうでしょう?

私は極力、

総入れ歯をお使い頂いていることを、

他人から判らないようにと努めています。

私とスタッフ、

そして患者さんとだけの秘密です。

総入れ歯をお造りさせて頂くにあたって、

若い時分のお写真をご用意頂いています。

すごく参考になるのですよ!

2回目の総入れ歯をお使い頂くと、

グイグイと噛めます。

ですから、

お口周りの筋肉も発達します。

完成した総入れ歯のお顔は、

今日のお顔からはズット若返って観えます。

私の魔法の力です。

無論、

2回目の総入れ歯にも粘膜調整材は必須です。

 

が、

この素材の使い方にも秘訣は在ります。

考える治療が大切です。

でなければ、

歯科医師は職人とは言えませんもの。

 

私の日常

昨日の手術は

大いなる充実感を以て

弁を閉じました。

手術着が汗で

ベットリと背中にくっついています。

恐らく眼は充血していたでしょう。

頭皮の毛根がピリピリしています。

でも、

身体中から全身の力が抜けているのを

自覚して、

椅子にダラリと、

腰をずらして座っていました。

レントゲンの現像を待っていたのです。

スタッフが仕上がりたてのフィルムを持って来ました。

ムクッと、

立ち上がって、

ギョロッと、

フィルムを睨み、

よし!

患者に微笑んで、

手術室から去ったのです。

これが私の日常です。

 

明治の人

今日は大きな手術が在ります。

少し早めに仕事を終えて、

上京することになりました。

帰りは朝一番の羽田発つのフライトです。

コレで診療に十分間に合います。

東京は近い処となりました。

昨日の、

夫婦紛争の最中にあった関東に住む友人からのヘルプにて、

やむなく重い腰を上げたのです。

奥方が携帯電話に意外や

出で下さったのです。

どうかね?三枝!

友人の求めですもの。

嫌でも行かねばならないでしょ。

人は互いに支え合うものです。

片方に、

その気がなければ

相互に倒れてしまう。

相互と云うことを

互いが自覚しなければなりません。

また互いが同じことをしても意味がありません。

役割分担と云うものが在ることも。

コレは私自身も、

十分と考え、

今の考えに至りました。

ただ、

こうでなければならないと云う処、

チョッとスローでニュートラルな処、

この使い方が大事なのだなと、

恥ずかしながら、

息子を観て、

この数日に気づいたのです。

息子曰く、

父ちゃんは明治の人、

爆笑されていますから。