カテゴリー別アーカイブ: ただの日記

歯の声

何だかお判りになりますか?

石膏で彫刻した、

人の上顎第1大臼歯の模型です。

ナンだ?

そうナンだって処でしょうね!

でもね、

この第1大臼歯と

お隣の第2大臼歯とでは、

微妙に形が違うのですよ。

歯それぞれに

形態的な特徴と違いが在るんです。

そして、

ソレが、

その歯の独自の自己主張なんです。

私が治療に際して、

【歯の声】を聞き漏らさないようによ、

心を清んだ状態にするのは、

そういうことナンです。

歯のナンと!美しい形を具備していることか。

無計画・未熟なインプラント治療の結末を

初診からの治療行程を

治療のステップ・ステップ毎に

ブログにてご紹介させて頂きました

あの御婦人の治療も、

ヤット、

終末が見えてきたようです。

アリャ~!

ヤッてくれました!

って云うインプラント修復でした。

観た眼にも痛々しいですが、

粘膜部分にインプラントの開放部分が在るので、

唇を動かす度に、

痛いんですよ。

もちろん、

インプラントは撤去します。

骨も粘膜部分もボロボロ状態。

ここから、

粘膜部分の整形手術や骨の増大手術を。

本当にお気の毒でした。

で、ナンとか此処までに。

もう少し、

クラウン・ブリッジの歯茎部分の形態を

手直しすれば、

ナンとかなるでしょう!

具体的には、

歯の無い部分の似せの歯の歯頸部分を

チョコッと、

短く、

ゆったりカーブに修正して、

もう少し奥への膨らみを持たせる。

こういう処を、

アップした写真で再チェックします!

最後の頑張りですね。

でも、

自然な表情をされた際には、

ねっ!

艶っぽいでしょ?

患者さんへの尊敬の念

総合診療科の臨床教授の仕事の1つに、

月に1度、

総医局員と臨床研修医たちに対して講義しなきゃならないんですが、

これが実にヤリ難いんです。

年齢層からキャリアを含め、

幅が広すぎるモノですから。

で、

講義で使うスライド写真は、

当然、

私の患者さんへの治療なんですが。

そう考えますと、

私は自分の患者さんみんなに対して

大きなプライドを持って、

尊敬の念を抱いています。

だって、

私の患者さんは歯科医学への関心度が非常に高く、

口腔環境もバッチリ維持されておられます。

患者さんに支えられて、

私は治療の根拠を持っている訳ですから。

その感謝の念が、

また私のエネルギー源になっていることに

間違いないでしょう。

 

寝てばかり

場所柄、

診療所が街の中心部に在りますことから、

帰宅する車中から、

正に、

いざ!

飲みに行くぞ!

そんな光景が眼に入ります。

ソレが、

若者たちであったり、

サラリーマン集団であったり。

で、

当の私は、

信号機が青に変わった瞬間に、

再び家路へと急ぎます。

私は犬の待っている家が好きです。

ただし、

このごろは、

暇さえ在れば、

ひたすら寝ています。

とにかく、

寝て、寝て、寝ての毎日です。

ソレは、

現在私の脳髄が、

新しいこと始めようと、

知識の仕込みは全て終了し、

後は、

アクションのプロセスについて

考えに考えているからです。

新しいことといっても、

もちろん、

歯科治療の技術的方法に関してですよ。

寝ても覚めても歯科。

患者さんが待って下さっていますから。

 

 

元の元を辿って

母校の学生たちとの関わり合いを持って、

11年になろうかと。

毎日、

誰彼かから、

そのような関わり合いから知遇を得た若者、

また、

新しい出会いが在ります。

ソレは電話であったり、

突然の訪問であったり。

で、

20代をどのように過ごすのか、

どのような人と交わるのか、

それで、

男子の生き方の基本形が出来上がるように思います。

悩んで当然。

恐くて当たり前。

不安感は皆おなじ。

ソレでも、

真っ直ぐ、

前面からの風を受け、

波を切って、

前へ前へと、

進まねばなりません。

傍目から観れば、

ドッシリと構えて悠然と。

でも、

本当は皆おなじなのですよ。

歯科医学への取り組みも、

正に同じです。

根管治療を学ぶなら、

先ずは根管の解剖を学ぶことから始めましょう。

修復学を学ぶなら、

先ずは歯冠の解剖学から始めましょう。

インプラント治療学を学ぶなら、

先ずは骨の解剖学から始めましょう。

???

歯科医学の基本は解剖学であることが

お判りになったと思います。

解剖学は、

地図、航海図のようなモノ。

勉学も、

社会との関わり合いも、

元の元を辿って。

ドッシリと行きましょう。

高松インプラントセンター

今では、

色んな名称のインプラントセンターが

田舎町の国道沿いの立て看板でさへ、

見受けられるようになりました。

私が旧ノーベル・ファアマ社から

同社のブローネマルク・インプラントの

歯科医師向けの講習会の講師を依頼された頃などには、

インプラントセンターを名乗るには、

それなりの実績、

これは自己評価ではありませんよ。

メーカーや業界人からの納得される実績があり、

名称についても、

業界から

あ・うんの呼吸で、

落ちつく処に落ち着くということで

決まってきて、

暗黙のルールを逸脱できない空気もあり、

またインプラント専門家って

頑固な紳士が多かったので、

何かしら違和感が生じれば、

物申す処がありました。

が、

時代は変わってしまいます。

誰でも彼でもインプラントの専門家。

インプラントの講習会を受講し、

さぁ、これから始めるぞ!

ところがナンと!

始める前から、

看板にはインプラントセンターの名称が。

大丈夫ナンでしょうか?

嫌、嫌、

大丈夫だと云うのは、

腕前も、そうですが、

良識の判断基準をお持ちなのでしょうか。

そんな時代の中においても、

ありがとうございます。

判っておられる方々は、

キチンと観ておられるんですね。

私は毎日、

インプラント治療を行っています。

インプラント治療の無い日はありません。

データーの蓄積も、

教育機関やメーカーの現場に反映されています。

それがインプラントセンターの使命だと考えています。

健康保険診療の合間で、

インプラント治療を患者さんへとお薦めし、

ヤッター!

ドキドキ・ワクワク!

てな、

時たまのインプラント治療で、

インプラントセンターは厚かましい。

そんな処で、

ブログを認める途中で、

1症例。

抜歯即時埋入とサイナス・リフトのコンビネーション。

オペの際には、

患者さんのお許しが在れば、

カトリックのミサのライブCDをかけながらです。

時間は1時間ですね。

今は、

別の患者さんのセラミッククラウンの前処置が終わって、

手術のかたづけも終わって、

一服という処です。

 

 

 

 

 

遊び心を満たしてくれるダイレクトボンディング修復

歯科治療全般に言えるんですが、

器具を手にしている際には、

私は消滅しています。

手先だけが、

意思とは関係なく、

動いてるんじゃないかと。

ただ、

その前の段階の、

診断と治療法の決定の段階では、

真逆に、

優柔不断の極み。

悩んで、

悩みまくりです。

ですから、

治療に着手した患者さんのお越しになられる際は、

ウキウキしています。

だって、

楽しいこと体験出来るんですから。

この女性は、

歯並びには恵まれていません。

見た目の問題ではなく、

私の考える機能的に有利な歯並びをお持ちではない。

と言って、

歯列矯正治療もリスクのある患者さんです。

この辺りは、

私の【勘働き】の範疇ですが、

間違いないでしょう。

ですから、

プラークの付着しない口腔環境の整備を

徹底的に、

患者さんの協力のもとで、

一致団結という処の症例です。

で、

そんな関係ですから、

私はこの患者さんとは

むちゃくちゃ仲良しです。

で、

写真のようなヘンテコな修復物を

ヤット外して、

形態上の問題の解決法を見つけたモンですから、

とりあえず、

試しで1本だけ、

上顎第1小臼歯に、

ダイレクトボンディング修復したんです。

楽しかったですね!

そんでもって、

後ろのアノ馬鹿デカい金属で一応は造った歯擬きの修復物?を

ダイレクトボンディング修復を、

おだてられて、

つい。

どうですか?

むろんラバーダム防湿下の無菌的環境での治療ですよ。

虫歯検知液にて、

虫歯だけを徹底的に取り除きつつ、

しかし、

適合の悪い詰め物って、

メチャクチャ歯を大きく削っているのが

一目瞭然ですね。

ですから、

歯を削ってことの責任の重さを

ジックリと認識しなければなりませんね。

基準のない今だからこそ

音楽の基本が古典的クラッシックにあるように、

一見では進歩しているように見える歯科医学ですが、

研究分野以外の、

技術の基本形態は、

やはりクラッシックに在ることに

日本歯科大学は気づいていたのです。

技術には、

悲しい宿命があります。

ソレは、

個人的な差です。

歯科医師養成のための教育機関ですから、

今の行き過ぎた感のある国会試験を

無事に合格させて歯科医師免許を取得させることは

大きな使命ではありますが。

それでも、

日本最古の私塾として歯学の発展に寄与してきた自負ある

母校としては、

世にシッカリとした技術と考え方を持った

臨床医を養成することを

もう一つの使命として、

日夜努力を重ねている事を

私は当事者の一人として、

知っています。

学費の安い国立大学へと、

偏差値の高い学生は移動してゆきますので、

私学は偏差値競争に一時期は負けた組を

受け入れる事になります。

その若者たちに、

如何にモチベーションを向上させて、

歯科医学の魅力に気づかせるのが、

私ら教官の大きな仕事でもあります。

そのような100年、

日本歯科大学は歯科会を牽引してきました。

そこに、

日本歯科大学の教官は大きなプライドを持っていますし、

日本最大の校友会を誇る卒業生たちも、

母校の名の元に一致団結するのです。

私の噛み合わせ治療に欠かせない

百戦錬磨の咬合器です。

症例によって、

使い別けています。

中には時代的名機もあります。

私の臨床において、

この名機たちは無くてはならない道具です。

根管治療におけるラバーダム防湿と同じで、

無くても、

治療はできます。

が、

人の身体の不思議さは、

眼には見えないほど神秘の世界ですから、

医師たる者は、

シッカリとした基準値を認識するために、

眼に見える物指しを手放してはなりません。

歯科治療というものの特殊性は、

其処に尽きると言えましょう。

祈りの理由

昨夜は、

カトリック桜町教会の松浦司祭さまからの、

定例の個人教授を受けていました。

人は必ず生涯を閉じる定めにあります。

その時まで、

私は進歩し続けていたいのです。

別段、

裕福長者になりたい訳ではありません。

私のような、

自由診療医師は、

世間の方が想像するほどお金持ちではありません。

だって、

歯にお金をかける人って、

誰が考えても少数派でしょう?

歯の治療を受診する際には、

誰だって安い方が良いでしょう?

ですから、

ハナからそう云う方は、

私の診療所などにはお越しになりません。

イメージだけで、

セレブ御用達歯医者とか、

ぼったくり歯医者って、

私は縁も所縁もない方から、

誹謗中傷を受けてきましたもの。

私が頻繁に口にする、

健康保険診療は国の宝という台詞を

もう皆さんは重く受けとめる時が来ています。

国の財源には限りがありますから。

幼い命、

若い方々が、

これからの国を支えてくれるのです。

その若い方々のために、

貴重な財源を残してあげることを

先人は重く考える時が来ています。

健康保険医は誠実な健康保険診療に従事すべきです。

ソレは立派な社会貢献です。

口が裂けても健康保険医は、

健康保険の診療を批判し、

患者さんを不慣れな自費治療に誘導すべきではありません。

そんな考えの私が、

自由診療の医師の道を選んだ理由ですか?

ソレは私が縛りを極端に嫌がる自由人だからです。

私の診療に関し、

私の自己裁量権を発揮するためです。

また、

歯は私の命です。

歯の治療なんかと云う、

そのような価値観の方には、

私はナンの役にもたちません。

所謂、

小さな親切、大きなお世話って事でしょうか?

この世の中には、

歯で本当にお困りの方が大勢におられます。

歯を大切に考えて下さる方も大勢におられます。

私の限られた時間は、

そのような方々のために消費したいと思うのです。

進歩する過程において、

その方向も、

その行き先も、

当の本人である私には、

全く見えないのです。

正直、

不安で心配でなりません。

ただ、

足を停めたら終わりだと云う事だけは、

動物の本能的な勘でしょうか?

判っているのです。

私の全知全能のすべてをかけて、

患者さんの診療に臨みます。

そこに、

眼には見えないのだけれども、

ソレを人は強運と云うのでしょうか?

そのような力が私の中に宿り、

手当てを丁寧に綴ることが出来ますように、

祈りを捧げるのです。

 

歯を保存できる決め手

先のブログで紹介させて頂いた

歯を保存出来ない、

むしろ、

抜いた方が良い症例とは

全く逆の、

絶対に残さねばならない症例をご紹介します。

歯冠部分が歯科医師によって削られ、

ほぼ歯根部分しか残っていませんね。

初診の際には、

歯茎が腫れて、

ズキズキとした痛みをお訴えになられていました。

この様な症例に対しては、

早急な根管治療は禁忌です。

なぜなら、

ラバーダム防湿のためのクランプという器具が

歯に引っ掛からないからです。

無菌的治療のできない根管治療ほど

自信過剰な愚かな治療行為であることに

歯科医師は気づくべきです。

急性期の症状は、

根管を徹底的に洗浄し、

根管自身を排膿路とすることで、

早急に痛みは消失します。

その後、

仮に水酸化カルシウムのペーストを

根管内に満たしておきます。

で、

臨床歯冠長延長手術を行います。

どうですか?

随分と歯が露出したでしょう?

これなら、

シッカリとラバーダム防湿下で、

無菌的な根管治療が可能です。

また、

歯質が大きく露出したことで、

被せるクラウンがシッカリと歯を包み込みますから、

歯根破折の可能性も、

格段に減少します。

加えて、

クラウンの境目も、

綺麗で健康になった歯肉溝の中に、

マイクロスコープを使った削りにて、

歯周組織に優しい修復治療ができるんですよ。

今日、

仮歯を装着しました。

被せる直前の写真です。

歯はシッカリとした角化歯肉に被われています。

ファイバーポスト直下の健康な歯質も多く残っています。

これをクラウンが被い被さるので、

力学的に歯が折れる事の可能性は激減します。

仮歯を装着した写真です。

ここから、

何カ月か、

仮歯の挙動を観察しながら、

最終的なクラウンの素材を決定しつつ、

歯の形態上のディテールを見つけてゆくのです。