自然科学の発達は、
工学の進歩に随分と助けられている、
嫌、
工学の進歩に依存しているような気がします。
ただ残念なのは、
自然界の真理に至る道を通らずに、
より細かく、
より鮮明にと、
テクノロジーの助けによって、
物事を細切れに観ているだけのような気がします。
それはそれで、
病気の治療や予防に
少しばかり役立っているのですから、
良いことなのでしょうが。
眼で観察していた時代の
解剖学、組織学などは、
DNA,RNAの世界まで細切れにされたら
立場を失いかねませんが、
実際は、
解剖学、組織学の習得は、
患者さんの診察には必須です。
街乗りにスーパーカーの馬力は不要です。
安全性と経済性、収容力が大切ですが、
そればかりですと、
車好きの私からしてみればツマラナイ、
エコカーのようになってしまいます。
車は五感を震わせられるセクシーさが大切だと、
私は思っているからです。
何事においても、
バランスが大切かと。
私が患者さんに説明する際には、
学生さんに歯学を語る機会には、
若い歯科医師の先生方に伝える際には、
階段から降りて、
聞き学問や、
読み学問ではなく、
実体験に基づいた詳細を、
感性からの言葉で、
話しをするように心がけています。
私は科学に生きる人間ですが、
それよりも、
人で在りたいと、
其処は譲れない肝心処です。
ですから、
科学を語る際には、
プライドなど微塵もありません。