男子の本懐


ズーと昔の事です。

【男子の本懐】と云う小説に、

大いに感動した記憶があり、

数年に1度の程度にて、

頁を捲る私がいます。

また、

【山本五十六】贔屓の私です。

元帥の死亡診断書が公開された際に

多くの憶測を呼びました。

自死か銃死かの真意は判りません。

が、

椅子に座し、

汚れなき白手袋の両手で

剣の柄を確りと支えた姿で眠る元帥であったことは

紛れもない事実です。

仮に、

元帥在命で終戦を迎えたならば、

歴史に、【もしも】はありませんが、

恐らく東京裁判において、

絞首刑であった筈でしょうし、

身柄を拘束される前に、

阿南陸相のように割腹自決したで在りましょう。

【陽性】イメージ強い元帥ですが、

南方での名誉の戦死でなければ、

色彩は変わっていたかもしれません。

【あの世へも、で、この世にも未練云々、心は二つ、身はひとつ】

と云う、

元帥から旧友に宛てた名高い手紙を

コレもまた随分と前に眼にして、

私も共感できる処、大いに在り。

伊集院 静氏の作品での、

【人生には様々な坂が在るが~】

の名文に、大いに共感し。

其れは【男】でしか、

理解し得ない意味を味わうのです。