鼻垂れ小僧


若い時分から、ヤッパリ私は成長できていないのを実感するのです。

歯科医としての壁にぶち当たった時に、

相も変わらず、

師匠の内藤正裕先生に泣きつく私です。

こういうスタイルでの診療所は、

この高松市のような田舎街では勿論のこと、

大東京に於いても稀であり、

こういう物好きな変わり者は

私らくらいなものでしょう。

私の診療台のド真ん前には内藤先生の写真を掲げており、

コレが私の良心の指標であります。

この師匠との出会いが正に今日の私の座標であるのは事実ですが、

時たまに、この出会いを後悔することも反面、事実でもあります。

今日の私の悩み、苦悩は、

全て先生は過去に経験済みであるので、

これも私にとってはシャクに障るのも本音で、

何時まで経っても、

私は鼻垂れ小僧の域から逸して居ないと

我ながらナサケナイ心持ちになるのです。