最近になって通われる様になった同い歳位の女性の患者さんを診察していました。
大変お気の毒なことに、上の歯は殆んど残っていません。
ほんの少し残った壊れたセラミックで処置の為された前の歯は、
いつ抜け落ちるか判らない程にグラグラしています。
下の奥歯も既に無く、前歯は根管治療の限界程度の大きな病巣を持っています。
上の治療は総入れ歯にて、
下の奥歯の治療はインプラント治療のための前準備としての
骨の厚さを大きくする手術を既に終わり、
現在、インプラントを入れる時期を待っている段階です。
今は、その待ち期間を利用して、
上の総入れ歯のデザイン、例えばどのような形の人工歯を、どのようにして列べようか?
上唇の張り具合は?
ほうれい線の形はどうなるのか?
横顔はどうか?
等など、仮の土台に手を加えて、あれやこれや試行錯誤の最中です。
こういう事は、一回では解決出来ませんから、
毎度毎度、少しずつ手を加えていきます。
で、次回からは下の前歯の根管治療に入る予定です。
治療の後で、その日の治療の説明と、次回の予定などを
お伝えしています。
このお気の毒な悲惨な状況から速く、脱出させて差し上げたいと、
私の方が、ハヤル気持ちで一杯です。
骨の治癒には栄養補給は大切です。
が、食べられる状況に無いのもよーく判り、
ー 一体、どうやって食べてるんですか? ー
と、此方が聞く始末です。
つい、
ー 私にも小さい娘がおります。いずれ年月が経つと○○さんと同じ歳に同じになる訳で、
其れを想うと‼ ○○さんにも私の娘みたいな時もあった筈です。
親御さんが、どれ程大切な想いで育て上げたのかを考えると、ウカツな事は出来ません!
どうぞ頑張って、時期を待ってください。
野菜はミキサーでジュースにして、牛乳も最近は加工されて成分が薄いですから、
イリコをミキサーでクラッシュしてでも、食物で栄養分を入れてください。ー
こんなボロボロの歯になったのは、患者さんのせいだけではありません。
口こそ出せませんが、拙い技術の行った末であることは間違いない事実です。
頑張って居られる姿に、目頭が熱くなりながら歯に向き合っていました。